2018年10月30日火曜日

静嘉堂文庫美術館「アイヌ文化に親しみましょう」4


第二部は「アイヌ民族伝統文化の紹介」で、アイヌ文化継承者である居壁太さんと星野工さんが、トンコリやムックリでアイヌ音楽を演奏し、ウポポを歌い、また古式舞踊を披露してくれました。これまたとても印象深いものでした。終了後、館長室で歓談の一時をもちましたが、中学卒業後、東京に出てきて働き始めた星野さんのお話をお聞きしながら、その大変な苦労をしのぶとともに、身の置き所がない思いにかられました。

2020年には、国立アイヌ民族博物館が白老ポロト湖畔にオープンすることが決まっています。明治政府のアイヌ政策に失望し、一切の官職と位階を1年で返上してしまった松浦武四郎も、これを知ったらどんなに喜ぶことでしょうか。武四郎の美しい精神をそのままに活かした博物館になってほしいと、心から願わずにいられません。

これまで僕は、アイヌ文化について、あまりにも無知でした。本も一、二冊読んだ程度です。ただその中で記憶に残っているのは、アイヌ民族がまとう衣裳の模様があれほど素晴らしいのに、アイヌ語には「意匠」や「デザイン」にあたる言葉が存在しないという、非常に興味深い指摘です。

ただしこれまた、どんな本に書いてあったのか、今やまったく思い出せません。またまた75年使ったコノピューターが、フリーズを起こしちゃっています(!?)

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...