2018年8月16日木曜日

夏もやはり李賀1


 すでにお知らせしたところですが、拙文集『琳派 響きあう美』に続いて、『文人画 往還する美』を、同じく思文閣出版から出してもらえることになりました。ようやく取れた一週間の夏休みを、その校正にあてようと思いましたが、先月以来の猛暑、酷暑、炎暑、烈暑、劇暑がまだ続いています。やる気など、起こるもんじゃありません。

ついつい昼からビールを一杯、当然眠くなるのでソク昼寝、目が醒めても物憂く、ボーッと雑草しげるタビのひたいほどの庭をながめたりしています。

仕方がないので『中国詩人選集』の前に立てば、やはり手が伸びるのは、荒井健さんが校注をほどこす『李賀』です。夏にちなんで、代表作の一つである「河南府試 十二月楽辞 并びに閏月 十三首」のうち、夏の四月、五月、六月に、お馴染みの戯訳をつけて消夏の遊びとすることにしました。

もちろんこの四月、五月、六月というのは陰暦の話ですが……。もっとも荒井さんは五月をカットしていらっしゃるので、隣にあった『中国文学歳時記 夏』(同朋舎 1989年)から引っ張ってきました。

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