2018年2月2日金曜日

三井記念美術館「国宝雪松図と花鳥」1


三井記念美術館「国宝雪松図と花鳥 美術館でバードウォッチング」<24日まで>

 三井記念美術館コレクションのなかから、鳥をモチーフにした絵画や工芸を選りすぐって構成した、とてもおもしろい企画展です。モチーフにした作品ばかりではありません。「鵺」という銘をもつ楽茶碗まで、加えられています。静嘉堂文庫美術館でもすぐパクることができそうなアイディアです。

しかし、三井家には代々禽鳥を愛し、研究した人が多く、それがこの企画展を発想させる原動力となったということをパネルで知ると、だからこそこんな充実した内容に高まったんだなぁと、よく腑に落ちたことでした。円山応挙のご存知「雪松図屏風」は、客寄せシャンシャンみたいなもので――事実この国宝の前が一番混み合っていましたが――今回見るべきは断然「花鳥」の方です。



0 件のコメント:

コメントを投稿

追悼シンポジウム「高階秀爾館長と大原美術館」4

   僕は10月17日が、 杉田玄白とともに『解体新書』を翻訳出版した 蘭化前野良沢の 祥月命日でもあることからスピーチを始めました。もちろん高階先生が『解体新書』を「江戸のなかの近代」として 最重要視され 、出版220周年の1994年には、挿絵を担当した小田野直武の出身地である...