2017年12月25日月曜日

静嘉堂文庫美術館「あこがれの明清絵画」<書芸>10


[かがみ]明るく澄んでいりゃ チリもホコリも積もらない

鑑 曇ればたちまちに 卑しい心が顔を出す

これを体得することは もちろん容易じゃないけれど

三度 教えてもらえれば 自然の法理も腑に落ちる

心はつねに変転し ひとっところにゃ留[とど]まらず……

しかし自信が持てたなら おのずといられる平静で

絃の楽器も篳篥[ひちりき]も 笛もまったくなくたって

深淵思わす泉には さざなみの音清らかに…… 

口をすぼめて低い声 大きな歌声出さずとも

想いを詠める詩歌には あとまで残る余韻あり

たとえ一瞬なりとても 真の楽しみ得たならば

1000歳までもそれにより 長生きできるにちがいない(其の四)

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