鑑[かがみ]明るく澄んでいりゃ チリもホコリも積もらない
鑑 曇ればたちまちに 卑しい心が顔を出す
これを体得することは もちろん容易じゃないけれど
三度 教えてもらえれば 自然の法理も腑に落ちる
心はつねに変転し ひとっところにゃ留[とど]まらず……
しかし自信が持てたなら おのずといられる平静で
絃の楽器も篳篥[ひちりき]も 笛もまったくなくたって
深淵思わす泉には さざなみの音清らかに……
口をすぼめて低い声 大きな歌声出さずとも
想いを詠める詩歌には あとまで残る余韻あり
たとえ一瞬なりとても 真の楽しみ得たならば
1000歳までもそれにより 長生きできるにちがいない(其の四)
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