2017年10月1日日曜日

東京国立博物館「フランス人間国宝展」3


ジレルさんはみずから道具や窯を考案して執拗に実験を繰り返し、完璧を求めて止むことがありません。そして常に革新的精神を忘れることなく、驚嘆すべき作品を生み出してきました。その根底にあるのは、西洋の技術と東洋の伝統のハイブリッドだと言ってよいでしょう。

 ジレルさんは40年以上にわたり、曜変天目から与えられた深い感動をもとにみずからの茶碗を焼成してきました。その集大成として101個の茶碗を、この特別展に出陳しています。東京国立博物館・表慶館の入り口を抜ければ、すぐ左の大きな一室がジレル・ルームです。真っ白な布の上に並べられ、スポットライトを浴びたジレル天目は、壮観の一語に尽きます。

 913日、ジレルさんは奥様と一緒に、東京国立博物館副館長・井上さん同道のもと、静嘉堂文庫美術館をお訪ねくださいました。ご希望の作品は改めて言うまでもありません。わが「曜変天目」が箱から出され、机の上に置かれました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

岩波ホール「山の郵便配達」2

  名古屋大学につとめていたころ、名古屋シネマテークで勅使河原宏の「アントニオ・ガウディ」がかかり、見に行こうと思っているうちに終っちゃったことがありました。そのころ映画への関心が薄れ、チョット忙しかったこともあるのかな?  そんな思い出はともかく、名古屋シネマテークが閉館に...