2017年6月19日月曜日

静嘉堂文庫美術館「珠玉の香合・香炉展」3


これを認めた上での話ですが、仏教と結びつく前に、インドでは日常生活のなかでお香が使われていたにちがいありません。そもそも、白檀をはじめとする香木は、インドにたくさん自生していたのです。

現在は植樹して育てているようですが、古くから自然に生えていたのでしょう。これを利用しないはずはありません。しかも、インドの気候は高温で、地域によってはさらに多湿です。当然、汗をたくさんかくはずですし、悪臭も発生しやすいでしょう。

お釈迦さん誕生以前におけるインドのトイレは文字通りカワヤだったかもしれませんが、排泄物の悪臭を防ぐために、お香ほど効果的なものはほかにないでしょう。

彼らは香木を燃やして、肉の燻製を作っていたのではないかとさえ、僕は想像しているのです。このような日常生活におけるお香が、仏教に取り入れられたのであって、その逆であるはずはありません。ところで以前、『國華』社の近くにあったお洒落な和風飲み屋の「くはら」さんが僕は大好きでしたが、それは必ずトイレでお香が焚かれているからでした!? 

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