しかし規制はほとんど効果がなく、流行は止まなかったともいわれます。これまたまさに江戸文化です。よく知られた資料に、斎藤月岑『東都歳時記』(1838年刊)の初午の記事があります。もっともこれは江戸の稲荷神社を巡り貼っていくもののようです。「中人」とは成人と幼児との中間年齢層ですから、大の大人はあまりやらなかったのでしょうか。
千社参りと号して、稲荷千社へ詣でるもの、小さき紙に己が名所などころを記したる札をはりてしるしとす。此の族殊に多し。何れも中人以下の態なり。
「僕の一点」は「米国御札博士寿多有歓迎富士全図」(静岡県富士山遺産センター蔵)ですね。「寿多有」とは、先にチラシにあったフレデリック・スタールのこと、千社札に魅入られて熱狂的コレクターとなったアメリカ人です。

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