その後も漆工芸は、日本美術において常に馥郁とした香りを放ち続けていた。玉虫厨子から近世の漆絵や柴田是真の作品へと姿を変える絵画的遺品や、正倉院御物にみる平文や末金鏤から驚異的な技術展開をみせた蒔絵、乾漆技法が隆盛を極めた天平仏から何人かの現代作家に受け継がれる乾漆彫刻、あるいは中尊寺金色堂とその伝統を引く建築装飾が、そのきわめて豊かな歴史を物語っている。そして漆工芸の原点ともいうべき無文漆器から幕末明治の民衆的工芸、いわゆる民芸へと広がる大河のごとき流れがあった。根来塗はこの流れに棹差すもっとも重要な一ジャンルにほかならない。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
オチャケならぬお茶が大好きな方々に絶対おススメの「出光美術館蔵 茶道具名品展」が大倉集古館で開かれています!! 12
それだけではありません。 それを我が国で幽玄なる芸能に昇華した能謡曲「項羽」 に、 より一層 注意を注ぎたい心持ちになってきたのです。その意味からも、先の『能狂言事典』に「異国の英雄を主人公にし、後ジテ・ツレにいくぶんかのエキゾティシズムを感じさせるが、構想は多分に日本的で、...
-
「融大臣 とおるのおとど × 伯楽天」は お能( 謡曲 ) のペア です。融大臣とは 平安前期の公家歌人・ 源融 です。 「 百人一首 」 に選ばれる「陸奥 みちのく のしのぶもぢずりたれゆゑに乱れそめにしわれならなくに」は人口に膾炙 するところです 。源融は京都の六条河原...
-
柳孝一さんが 1 月 17 日にお亡くなりになりました。享年 56 、あまりにも若すぎます。心からご逝去を悼むとともに、ご冥福を深くお祈り申し上げます。 柳孝一さんは日本を代表する慧眼の古美術商として、早くから美術業界でその名を知られてきました。いや、古美術ばかりでなく...
-
出光美術館・与謝蕪村筆「夜色楼台図」< 11 月 18 日まで>( 11 月 16 日) いま出光美術館では、江戸時代絵画の<雅>と<俗>に焦点をしぼって、「江戸絵画の文雅」< 12 月 16 日まで>と題するオススメの企画展が開催されています。これに錦上花を添え...

0 件のコメント:
コメントを投稿