たくさん翻刻されていると思いますが、僕が馴染んでいるのは小学館版『日本古典文学全集』、浜田義一郎先生の解説と頭注が理解を助けてくれます。
読んでみるとストーリーはほとんどハチャメチャ、荒唐無稽の極にあるといった感じです。ところが浜田先生によると、ここには政治批判、有り体にいうと寛政の改革批判が感じられるというのです。先生はつぎのように述べています。
菅秀才が松平定信、「九官鳥のことば」が「鸚鵡詞おうむのことば」、大江匡房まさふさが柴野栗山であることは、だれの目にも明らかである。そして武術の行過ぎや凧あげ流行は、武士階級の付和雷同を揶揄しただけかもしれないが、文武奨励令を批判したとみられる危険もあるし、鳳凰がまちがって飛来するくだりは定信の「鸚鵡詞」を揶揄したととれないこともない。
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