大好きな南宋のネコ詩人・陸游も、ずいぶん凧をモチーフにしているようです。これまた尊敬する一海知義先生が編集した『陸游詩選』(岩波文庫)から、2首のマイ戯訳を加えて終ることにしましょう。さすが不羈慷慨の愛国詩人、我らの六如慈周や柏木如亭が懐旧の情のうちに、あるいは叙情のうちに凧を詠むのとはチョッとちがった詩趣が感じられます。
陸游「春日雑興 十二首」其の三
小さな甕かめには米がある――当分 飢えはしないだろう
竹馬たけうまに乗り凧を揚げ 遊ぶ子供をながめてる
高級役人 清廉せいれんで 下級役人 謙虚なら
舞えや歌えの喜びに 包まれるだろう村中が
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