2024年8月5日月曜日

古原宏伸先生を偲ぶ4

 

すると先生は、二つのセンテンスだけ暗記しておけば、まったく心配無用である、一つは「トゥオシャオチェン」で、もう一つは「タイクゥイラ」だと教えてくださいました。中国旅行で必要なのは「トゥオシャオチェン」と「タイクゥイラ」のたった二つだけだというのです。

どういう意味ですかと尋ねると、「トゥオシャオチェン」は「値段はいくら?」という意味で、相手がなにか答えたら、分からなくてもすかさず「タイクゥイラ」――つまり「高すぎる!」と言い返せばよろしいとおっしゃるのです。そして僕の手帳に、「多少銭?」と「太貴了!」と漢字で書いてくださいました。

超真面目人間だと思っていた古原先生が、意外や意外、ユーモアを内に秘め諧謔を愛されることを知って、失礼ながらいよいよ親愛の情が深まったのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...