そのとき崋山が書き残した絵入り旅行記が「游相日記」です。この日記の原本は、関東大震災のさい烏有に帰してしまいましたが、ラッキーなことにその5年ほど前、稀書複製会によりファクシミリ版が作られ頒布されていました。今やこれも貴重書で、僕も持っていませんが、先の『崋山全集』にテキストだけは翻刻されているので、もっぱらこれを使ってきました。
ところが今回、あつぎ郷土博物館に口演でお邪魔すると、ショップで「游相日記」の令和版複製が売られているじゃ~ありませんか。『令和2年度特別展示図録 優しい旅びと――『厚木六勝』と『游相日記』――』というカタログがそれです。
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