2023年8月18日金曜日

『大英博物館マンガ展図録 マンガ!』10

 

上村一夫の『同棲時代と僕』は彼の一代記、いや、半代記と称すべきエッセー集です。読み捨てにしないで書架に収めてあるのは、「偉人友人葛飾北斎」という一文があり、いつか使ってやろうというスケベ根性のゆえです() もう一つ愉快なのは、「あだ名と先生」です。僕も学生以外から「先生」と呼ばれるわけですが、そのままにしているのは、上村一夫の先生綽名説によるのです。チョットあとから考えた理由のような気もしますが()

「先生と呼ばれる程馬鹿はなし」という言葉があるが、それは先生を意識している人の言葉であり、“先生”もあだ名の一つだと思えばなんでもない。現代では妻子ある先生が恋愛をする時代であり、先に生まれたというだけで、私は先生と呼ばれても何の苦痛も感じない。照れたりそう呼んでくれるなという人は、自意識が過剰なのではないだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」6

 友松は晩年、桂宮家を創始した智仁 ともひと 親王のもとにしばしば出入りし、押絵の注文などを受けていたことが、記録から明らかになっているからです。畏友・河合正朝さんの『友松・等顔』<日本美術絵画全集 11 >(集英社  1978 年)によると、桂宮淑子 すみこ 関係の記録にある「...