2023年7月24日月曜日

『荻生徂徠全詩』第2巻12

荻生徂徠は晩唐詩がきらいだったんです。華麗であるけれども、奇癖がみられると言っているそうです。この晩唐には中唐も含まれるらしく、僕が愛してやまない李賀なんて、徂徠先生はダイッキライだったんでしょう。ましてや日本人が愛好する晩唐の杜牧なんて、歯牙にも引っ掛けなかったことでしょう。徂徠詩は、一言でいえば古典主義的でしたが、それも当然だったんです。

もう一つはじめて知ったのは、中国ではハマグリやシジミが、つまり貝類がまともな食べ物とはみられず、蜆蛤好きはむしろイカモノグイ扱いにされたということです。縄文時代の貝塚に象徴される味覚DNAのせいか、貝は日本人の大好物、嫌いな人は少ないでしょう。事実、ハマグリ・カラスガイ・ヒモは、カッパ寿司逗子店に行ったら定番ですよ() 少なくとも、我が国に貝類をイカモノとする味覚文化はあまりなかったように思われます。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」6

 友松は晩年、桂宮家を創始した智仁 ともひと 親王のもとにしばしば出入りし、押絵の注文などを受けていたことが、記録から明らかになっているからです。畏友・河合正朝さんの『友松・等顔』<日本美術絵画全集 11 >(集英社  1978 年)によると、桂宮淑子 すみこ 関係の記録にある「...