2023年4月28日金曜日

静嘉堂@丸の内「明治美術狂想曲」6

はじめ14名の画家名が報道されましたが、実際に出品したのは東京から6名、京都から5名、つまり11双の屏風が展示されたわけです。このうちの8双が、いま静嘉堂文庫美術館のコレクションに収まっています。詳しくはカタログの「コラム② 第四回内国勧業博覧会の美術展示」をご覧ください。

大工の家に生まれた野口幽谷は、先に板橋区立美術館で特別展が開かれ、改めて注目を集めた文人画家・椿椿山に就いて画技を学びました。そして色感豊かな花鳥画で一世を風靡、ついには帝室技芸員を拝命するまでになりました。静嘉堂文庫美術館の「菊鶏図屏風」は、東京国立博物館の「菊花激潭図」と並ぶ幽谷の傑作です。力作という観点に立てば、凌駕しているかもしれません。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」6

 友松は晩年、桂宮家を創始した智仁 ともひと 親王のもとにしばしば出入りし、押絵の注文などを受けていたことが、記録から明らかになっているからです。畏友・河合正朝さんの『友松・等顔』<日本美術絵画全集 11 >(集英社  1978 年)によると、桂宮淑子 すみこ 関係の記録にある「...