款記には呂廷振、つまり明代最高の花鳥画家・呂紀りょきにならったとありますが、普通僕たちがイメージする呂紀画とはずいぶん異なっています。呂紀の代表作に、東京国立博物館が所蔵する「四季花鳥図」四幅対があります。静嘉堂文庫美術館にも、伝称作品ですが、とてもすぐれた「花鳥図」があります。しかし、これらと共通する要素は多くありません。むしろ、先にあげた「涼月蒲柳図」のもとになった陳淳を想定すべきだと思います。
ヤジ「本人が呂紀にならったと言っているのに、オマエが勝手に変えたりするんじゃない!!」
その山水はいわゆる辺角の景という構図になっています。画面の左上から右下に対角線を一本引いて、その左下に近景を描き、右上の余白に遠景を添えて遠近感を視覚化させています。 このような辺角の景は、中国・南宋時代の画院画家である馬遠や夏珪が好んで用いた構図法でした。ですから馬の...
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