2023年2月15日水曜日

東京美術俱楽部「富士山 芸術の源泉」口演11

 

 この「饒舌館長」を読んでくださった畠堀さんから、小田野直武の「富嶽図」について早速メールを頂戴しました。この「富嶽図」とほぼ同じアングルの挿絵が、『東街便覧図略』巻5(名古屋市博物館資料叢書3<猿猴庵の本> 同博物館発行 2016年)に載っているとのこと、画像まで添付して送ってくださったんです。確かに同じアングルで、富士山と橋の位置関係もバッチリです。

しかも同書が引用する『東海道綱目分間之図』には、「きせ川のはねはし」の項に高力猿猴庵自身の詳しい説明が加えられています。少し分かりやすい表記に改めれば、「且つ此の辺りよりは富士の東面を見るなり。黄瀬川橋の上よりは此の山の洞真正面に見えたり」とあり、宝永第一火口が正面に見えると書かれているそうです。


 

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「復刻 開館記念展」7

  このような器形を一般に「梅瓶」と呼んでいます。梅を生けるのによく用いられた花瓶であるところから、梅瓶と呼ばれるようになったというのが通説のようです。しかしカタログ解説によると、中国の『源氏物語』ともいわれる長編小説『紅楼夢』のなかに、瓶に梅を生けて観賞するシーンがあり、それが...