これらのうちからさらに選りすぐり、静嘉堂@丸の内新ギャラリー開館を記念するために企画したのが、この「響きあう名宝――曜変・琳派のかがやき――」にほかならない。本特別展に出陳される日本東洋絵画を中心に、その魅力と美術のおもしろさを改めて味わっていただこうとするのが、本稿の目論見である。
明治十八年、彌太郎が没すると、弟彌之助が跡を継いで三菱の主宰者となった。そして全社員に向けた告示に、「今後諸君と共に一意我が海運の事業を拡張するの精神」を高らかに謳い上げた。「静嘉堂@丸の内 日本東洋画の海へ!」と銘打ったのは、彌之助の大海に向けた眼差しに思いを馳せたゆえである。
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