大学に入ると、ちょっと将来への色気もあって、暇があると映画館に出かけました。『シナリオ研究』を購読したり、ジョルジュ・サドゥールの『世界映画全史』や浅沼圭司の『映画美学入門』を読んだりもしました。浅沼先生の講義も拝聴し、レポートも提出したような気がします。
その頃にはもう娯楽映画ではなくなっていて、そうなると最新のバイブルは、ヌーベル・バーグの天才アラン・レネの「夜と霧」「二十四時間の情事(ヒロシマ・モナムール)」「去年マリエンバートで」ということになります。
意気揚々たる出陣影にもかかわらず、いささかの哀愁が漂っているのは、母富子のいとし子を思う情に、画家正信が感じ入ったためだというのは赤松俊秀先生の卓見でした。若くして没した悲劇の君主であるオスマン 2 世と義尚は、豊かな教養においても軌を一にしていたようです。 真横からとら...
0 件のコメント:
コメントを投稿