それまで『美術史』に浮世絵関係の論文が載ることはほとんどありませんでした。ましてや血みどろ絵の芳年など、問題外の外でした(笑)
だからこそ、山根有三先生が創刊号に記念碑的論文「等伯研究序説」を寄稿した『美術史』に、ついに芳年論が載るようになったのかという驚きとともに、菅原さんの分析に深い感銘をもって読んだのでした。「等伯研究序説」は、先生のデビュー論文といってもよく、山根美術史学はすべてここに胚胎しているんです。
そんなことを思い出しながら本書の「あとがき」を読むと、菅原さんの修士論文も芳年で、タイトルは「芳年研究序説」だったそうです。
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