今年の東京美術講演会は、コロナ禍のため入場制限をかけざるを得ませんでしたが、たくさんの方々にリモートでご参加いただきました。総合テーマは「影の美術史」と、早くも一昨年の初めに決まっていました。本当は去年このテーマで開催することになっていたのですが、コロナ禍のため、1年延期することになったからです。
まず総合司会の高階秀爾さんが、キーノートスピーチを行ないました。西洋美術史では、影――シャドーがきわめて重要な研究テーマになっており、ストイキツァの『影の歴史』、バクサンドールの『影と光』、ゴンブリッジの『影』といった名著があることを紹介されました。
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