2021年11月16日火曜日

菱川宗理筆「娘に猿図」4

しかし、あえて宗理の美的特質を挙げるならば、かつて安田剛蔵先生が著書『画狂 北斎』(有光書房 1971年)で指摘した「白痴美」ということになるでしょう。『広辞苑』に「整ってはいるが、表情に乏しい女の、一種の美しさ」とあるその「白痴美」です。先生は次のように述べています。

女の顔の描写は一見北斎宗理を想わせるが、熟視すると同一でない。北斎宗理描く女の顔はいつでも新鮮澄明で、すがすがしく、姿態は変化に富み健康的かつ活動的であるのに対し、この宗理描く一連の女の姿態は一定化していて、且つ何となく病的である。……この宗理の描く美人の表情は白痴美と評すべきであろう。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 17

   三菱一号館美術館「トワイライト、新版画――小林清親から川瀬巴水まで」を内覧会で見せてもらったあとで、 いま饒舌したような 巴水風景版画 サウダーデ 観 が 心に 浮かんでき た ん です。もちろん会場で作品を前にしたときは、ただいいなぁと ながめるだけでしたが……。    ...