2021年7月25日日曜日

三菱一号館美術館「三菱の至宝展」26


 先日、ニコニコ美術館が夕方7時から「三菱の至宝展」を生中継してくれました。ナビゲーターは橋本麻里さんーーいまや20000人以上の美術ファンが見てくれる、いや、参加してくれるそうです。ぜひ一緒に……と誘われた饒舌館長は、第1室で『杜甫詩集』のところに来ると、いきなり「国破山河在 城春草木深……」と中国語の暗唱を音吐朗々、「渾欲不勝簪」のあと「たいていここで拍手が起こるものですが……」と毎度お馴染みのジョークで〆たのです。

すると間髪をおかず、ディレクターがもつPCのディスプレーに、「88888」「8888888888」といった数字が洪水のように流れ始めたではありませんか。まったく意味が分かりませんでしたが、これはパチパチパチという拍手を意味するとのこと、橋本さんが教えてくれました。チョッと前までは考えられないバーチャル美術の世界が、すでに日常になっていることを思い知らされた一夕でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...