2021年7月20日火曜日

三菱一号館美術館「三菱の至宝展」21

この張瑞図の「松山図」にちなんで、東洋文庫からの「僕の一点」は、第1室に展示される「集千家註批点杜工部詩集」を選ぶことにしましょう。ずいぶんむずかしい書名ですが、「集千家註批点」は副題みたいなもので、簡単にいえば「杜工部詩集」です。杜工部とはかの詩聖・杜甫のことですから、つまるところ「杜甫詩集」なんです。

 ただし中国・元の時代に出版された杜甫詩集を、南北朝時代の1368年に我が国で復刻した、いわゆる和刻本です。ブッチャケをいえば「海賊版」なんですが、もう653年も経っていて伝本も少ない貴重な本なので、だれも「海賊版」とはいわないだけです――まぁ時効にかかったみたいなものかな() 

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「復刻 開館記念展」8

  ネットで調べたら、「蘭陵の美酒」というお酒が売られていましたが、これは李白の「客中行」からヒントを得て、沖縄・石垣島の高嶺酒造所が醸しているリキュールでした。 チョッと脱線してしまいましたが、梅瓶はもともと花瓶じゃ~なく、酒器だったにちがいありません。下がかなりすぼまって...