2021年7月16日金曜日

三菱一号館美術館「三菱の至宝展」17

 


それでは、梅尭臣と杜甫の詩に戯訳をつけて、張瑞図の「松山図」についてはお仕舞にすることにしましょう。

梅尭臣「猫を祭る」

<五白>というネコ飼ってから 本はネズミにかじられず

  だが今朝<五白>は死んじゃった ご飯と魚をそなえたよ

  水葬に付し心籠め 彼女の冥福いのったよ

  かつてネズミをつかまえて 鳴きつつ庭をぐるぐると……

  ほかの奴らもおどかして 追っ払おうとしたんだろう

  オイラの舟に乗り込んで 来た時いらい夫婦のよう

  貴重な乾飯[かれいい]ネズ公の 残飯食わずにすんだのも

  彼女の働きあればこそ! 鶏[とり]や豚にもまさりたり!

  「馬やロバなら役に立つ」「馬車なら楽ちん!」人は言う

  分かっちゃねーなと嗤[わら]いつつ 哀悼の意を捧げよう

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