聞き役ともいうべき鏑木清方ら3人に向かってしゃべる玉堂の興奮した声――40年以上を経てなお興奮した声が、いまにも聞こえてきそうではありませんか。玉堂にとって、この橋本雅邦の彩管になる「龍虎図屏風」は、「十六羅漢図」とともに自己の生き方を決定した神託のような作品だったのです。
もうこうなると玉堂は居ても立ってもいられず、上京して雅邦から入門許可を得ると、妻と生後間もない長男を伴って東京の麹町に転居、雅邦の教育を直接受けることにしたのでした。あのわが国の自然と四季を詩情豊かに謳いあげた玉堂様式の原点は、静嘉堂文庫美術館が所蔵する橋本雅邦の「龍虎図屏風」だったのです!! 川合玉堂――その画趣はもとより、大辛口の銘酒「澤乃井」とともに思い出される、威の技をもつ大画家です( ´艸`)
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