2021年4月23日金曜日

府中市美術館「与謝蕪村」2

たとえ初め観覧者が「?」と思ったとしても、ギャラリーを巡るうちに、「なるほどなぁ」と腑に落ちてきて、満たされた幸福感とともに美術館を後にすることになります。それは金子マジックと呼ばれるのがふさわしいでしょう。そんな金子マジックが自由に発揮できる府中の文化的成熟度も、じつに素晴らしいことではありませんか!! それをトップから、また市民から許容してもらえるのも、人柄の賜物であるように感じられます。 

 今回の与謝蕪村展も、そんな金子マジックがズバリ的中した、おススメの展覧会です。金子さんは、この蕪村展に合わせ、東京美術から出版したカタログ・ブックの「まえがき」に、つぎのように書いています。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「絵金」11

絵金芝居絵屏風における異時同図法については、すでによく指摘されるところです。この「鎌倉三代記 三浦別れ」でも異時同図法がきわめて効果的に使われています。瀕死の息子に会おうとしない母・長門、三浦之介と時姫の愁嘆場、井戸から出ようとする高綱の間には、少しずつ時間のずれがあるのですが、...