2021年1月21日木曜日

すみだ北斎美術館「GIGA・MANGA」2


「僕の一点」は、筆者不詳の版画「死絵 八代目市川団十郎」ですね。8代目団十郎の肖像掛幅画の周りで、たくさんの女性が悲嘆にくれ、あるいは泣きくずれています。肖像の両脇に次のような款記と賛が見えます。

嘉永七甲寅年八月六日 猿白院清日田信士 行年三十二才 

辞世 うしろ不二難波に残す旅の空

  女猫まで袖になみだをふく牡丹 なくやひさごのつるの林に 梅屋

 

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すみだ北斎美術館「北斎をめぐる美人画の系譜」4

  確かに「華奢」ですが、とても健康的でスラリとし、その身丈<みたけ>が成長期の少女のように、さらに伸びて行きそうな感じが魅力的ですね。北斎の美人図に見られるこのような感覚を、かつて僕は「伸暢感覚」と呼んだことがあるんです。  寛政7年(1795)北斎は江戸琳派の創始者ともいうべ...