2020年8月17日月曜日

安井裕雄『モネ睡蓮の世界』3



僕は「ChapitreⅡ 日本風の太鼓橋 18991900」のページを繰りながら、かつて先の小林忠さんに求められて書いたエッセー「ジャポニスムの起因と原動力」(『秘蔵日本美術大観』3<大英博物館Ⅲ>1993年)を思い出していました。ジャポニスムは単なる異国趣味から日本美術の本質的理解へ昇華したというのが定説です。これに対し、ジャポニスムとは異国趣味にすぎない――しかしその事実に大きな意味があるというのが拙論の趣旨でしたので、次のごとくモネの日本風太鼓橋を引き合いに出したからです。
彼らは第一の意味(『広辞苑』にある①外国の風物をあこがれ好む趣向)でも、やはり異国趣味を持っていた。ホイッスラーはパリやロンドンの美術商をまわって版画のほか、陶磁器や服飾品などをたくさん買い集めたし、マネは日本の陶製植木鉢覆いなどまで持っていた。

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