2020年6月18日木曜日

梅雨3


もっとも、「梅雨」という漢語があるということは、中国――とくに江南にも梅雨という現象があるとも考えられるかな? ちなみに、明・李時珍の『本草綱目』巻5の「雨水」に「梅雨水」があげられ、著者は次のように述べています。拙訳で紹介しますが、僕には陰陽五行の知識がないのでむずかしく、間違っているかもしれません。
「梅雨」は「黴雨」とも書く。衣服やほかのものを濡らし、みな黒かびを生じさせるので、「黴雨」というのである。24節気の一つである芒種が過ぎて最初のミズノエの日を迎えると梅雨に入り、同じく小暑が過ぎて最初のミズノエの日を迎えると梅雨が明けるのである。また3月に梅雨に入り、5月に梅雨が明けるともいう。これはすべて「湿熱の気」が盛んになり、閉じ込められ、燻[いぶ]され蒸[]されて温度が上がり、醗酵して、長雨となるのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』12

  そのとき『君たちはどう生きるか』の対抗馬 (!?) として挙げたのは、色川武大の『うらおもて人生録』(新潮文庫)でした。京都美術工芸大学にいたとき、『京都新聞』から求められて、就職試験に臨む受験生にエールを送るべくエッセーを寄稿したのですが、本書から「九勝六敗を狙え」を引用し...