2018年9月22日土曜日

『君たちはどう生きるか』4


とても新聞に書ける体験なんかありませんが、「お題をください」といった手前、書けないともいえません。「喜んで書かせてもらいましょう」と返メールを打ったとき、もうオチは「九勝六敗を狙え」に決まっていました。

これは僕が人生論本から見つけ出した最高のフレーズだと威張っていましたが、ある朝、『朝日新聞』を開くと鷲田清一さんが、「折々のことば」に引用しているじゃありませんか。鷲田さんと僕の人生観がつながっているようで、こんなうれしいことはありませんでした。

ところで、このブログを書くにあたって、これまた『うらおもて人生録』を書架から引っ張り出すと、「解説」は先日お亡くなりになった西部邁先生です。いってみれば色川×西部は無頼派同志、ほかの人は絶対ものすことができない、恐ろしいような解題です。しかも、『君たちはどう生きるか』の「解説」が丸山真男先生であることと比較すると、実におもしろいじゃありませんか。


0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」5

もちろん、中世に入れば山上憶良の歌は忘れ去られ、画家や鑑賞者に意識されることなく、記憶の残滓が脳内のどこかに沈殿しているに過ぎなくなっていたことでしょう。 しかし、憶良の歌のDNAだけは伝えられていたように思われてなりません。例えば 俵屋宗達の傑作「松島図屏風」(フリーア美術館蔵...