C勅使河原純『菱田春草とその時代』(六芸書房 1982)
そこへ提出されたのが、春草の「寡婦と孤児」であったのだ。少なからず世を憚る、戦争批判の臭いをもったこの作品に対して、岡倉校長は躊躇なく優等第一席の評価を下した。いわゆる戦争画、それも血の流れている場面などを特に喜んだといわれる一般の趣味とは、およそ対照的な態度である。岡倉は決して戦争画を認めず、弟子達にも描くことを許さなかった。この点で彼の立場は一貫し、生涯決して揺れることはなかった。
先に李嶠の名をあげましたが、人口に膾炙する詩人とはいえないでしょう。しかし『唐詩選』には2首採られてい ます。もっとも前野直彬先生注解『唐詩選』<岩波文庫>の詩人小伝によると、「嫉妬ぶかい性格で、他人の出世することや文才のあることをねたんだ」そうです 。 そういう詩人が...
0 件のコメント:
コメントを投稿