2018年6月16日土曜日

優先席5


第二案は、「優先席」を「特定席」に変えることです。現在の「優先席」は、老人、体の不自由な方、内部障碍のある方、乳幼児を連れている方、妊娠している方に、席を譲りましょう――というヒューマニズムを前提としています。

しかし、現代日本社会ではもうヒューマニズムなど、死語同然です。だからこそ道徳教育の必要を声高に叫ぶ人がいるのでしょうが、叫んでいる方々が道徳的かどうか、判断能力を欠く自分が悲しくなるだけです。だれですか? 「上これを行なえば下従う」だなんて言っているのは?

それはともかく、ヒューマニズムといえば聞こえはいいのですが、「優先席」にはちょっと偽善的な匂いを嗅ぎ取る方もいらっしゃるでしょう。そもそもちゃんと実行されない「優先席」のうえ、偽善的だなどと疑われるようなら、もう止めてしまった方がいいのではないでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』8

  渡辺浩さんの『日本思想史と現在』というタイトルはチョッと取つきにくいかもしれませんが、読み始めればそんなことはありません。先にあげた「国号考」の目から鱗、「 John Mountpaddy 先生はどこに」のユーモア、丸山真男先生のギョッとするような言葉「学問は野暮なものです」...