2018年5月19日土曜日

静嘉堂文庫美術館「酒器の美に酔う」ジャンクで一杯6


ウィキペディアをはじめ、みなオランダ語なのでよく分からないのだが、ともかくも150年ほど前の阿蘭陀アンティークだったのである。当時ヨーロッパを席捲していたジャポニスムに便乗して、この会社が売り出した輸出用安物陶器だったのではないだろうか。

 酷暑のなか、ようやくこのエッセーを書き終えた今夜は、「わが愛する三点」で祝杯を挙げることにしよう。

 以上が『國華清話会会報』に書いた駄文ですが、これを読んでくれた国立歴史博物館の桜庭美咲さんから、貴重な情報が寄せられました。桜庭さんは西洋陶磁や日本の輸出陶器を専門とし、現在は美術大学で教鞭をとっていますが、僕も國華社でとてもお世話になった研究者です。

桜庭さんによると、僕の「中国風俗カップ&ソーサー」を製作したのは、確かにオランダのダマストリヒトにあるペトルス・レグート窯で、この窯は1836年に設立され、1899年まで操業を続けたそうです。「ペトルス・レグート」と表記するのがいいようですが、銅版転写という絵付けプリント技法で有名な陶磁器工房とのことです。



0 件のコメント:

コメントを投稿

ブータン博士花見会3

  イングラムはサクラの美に魅入られたイギリスの園芸家で、「チェリー・イングラム」という愛称を捧げられたほどでした。 1926 年、再び日本にやってきたイングラムは、日本人の関心が派手なサクラに向けられ、珍しい品種はないがしろにされて、本来の多種多様性が消滅しかかっている日本のサ...