2018年4月13日金曜日

横浜美術館「ヌード」3


テート本「接吻」はロダンの指導のもと、彫刻家リゴーが大部分を作ったものと考える説もあるようです。しかし同時代の証言があるように、最後に仕上げたのはロダン自身ですから、やはり堂々たるロダンのオリジナル作品です。

美術史的にいえば、初発性はロダン美術館本に、さらにはブロンズ本の方にあるわけですが、テート本も出来映えきわめてすぐれ、ロダン美術館本と甲乙をつけることは不可能です。モニュメンタリティーの点では、むしろテート本の方がすぐれているでしょう。ロダン代表作の一つに数えられるゆえんです。

完成後の1913年、この「接吻」は英国サセックス州ルイス市の市庁舎に貸し出されましたが、一般に展示されると、その刺激的な表現に対し、ものすごい批判が湧き起りました。その結果、柵で囲われたうえシートで覆われることになり、2年後にはウォーレンのもとに戻ってきてしまいました。

彼が没したあと、競売にかかったものの買い手はあらわれず、1953年に至ってようやくテート美術館の所蔵に帰するところとなったそうです。以上はおもに、この特別展のために制作された立派なカタログによるところです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

東京国立博物館「斉白石」2

その後、中国や台湾、香港で斉白石の作品に触れる機会は何回かありましたが、これだけまとめて見るのは、もちろん初めての経験、改めて斉白石の豊饒な美的世界に深く心を動かされました。  これまで一般に「斉白石」を「さいはくせき」と読んできましたし、『新潮世界美術辞典』でも「...