2017年10月9日月曜日

小澤優子文化交流サロン6


   この子は五、六歳になると、土で仏像を造ったり、草や木で仏堂に似たものを建てたりしていたが、ある時、八葉の蓮華の中に多くの仏がおいでになり、自分と語り合われた、という夢を見た。だが、この夢を父母に話さない。まして他の者には話すわけもなかった。
                                                            『今昔物語集』11-9

   するとその時、諸宗の多くの学者たちが、この宗の即身成仏の教義に疑問をもち論難する。そこで大師は、その疑問を断とうがために、清涼殿において南に向かい、大日如来の入定の印を結び深く念じ入ると、顔の色が黄金のようになり、身体から黄金の光を放った。すべての人はこれを見て頭をたれて礼拝した。
                                                            『今昔物語集』11-9

   いろいろな事柄の中で外国人の筆者達が一人残らず一致することがある。それは日本が子供達の天国だということである。この国の子供達は親切に取扱われるばかりでなく、他のいずれの国の子供達よりも多くの自由を持ち、その自由を濫用することはより少なく、気持ちのよい経験の、より多くの変化を持っている。赤ん坊時代にはしょっ中、お母さんなり他の人なりの背に乗っている。刑罰もなく、咎めることもなく、叱られることもなく、五月蝿く愚図愚図いわれることもない。日本の子供が受ける恩恵と特典から考えると、彼等は如何にも甘やかされて増長してしまいそうであるが、而も世界中で両親を敬愛し老年者を尊敬すること日本の子供に如くものはない。
                     エドワード・モース『日本その日その日』

 

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