2017年8月23日水曜日

関谷徳衛編『良寛遺墨集』1


関谷徳衛編『良寛遺墨集――その人と書』全3巻(淡交社 2017年)

 良寛さんの真贋はむずかしい。そのむずかしい真贋にかけて、誰もが一目置く万葉洞主人・関谷徳衛さんが、半世紀にわたって蒐集した良寛作品をクロノロジカルに編集し、良寛研究家・小島正芳さんの総論「良寛――その生涯と書」を添えて出版したのが本書です。

僕もずっと良寛の書が大好きでした。中国の書をコピーすることから始まった日本の書道が、江戸時代を迎え、ついに我が国独自の書に昇華したのが、良寛の書であると考えてきました。この考えは今も変わっていません。

しかし僕が、改めて良寛のすぐれた人間性に強く心を動かされ、こんな風に生きることができたら、どんなにすばらしいことだろうかと憧憬の念を深くしたのは、中野孝次氏の『清貧の思想』を読んだ時でした。とても真似はできませんが、精神だけも学びたいと思ったものでした。

その後、「米山人伝小考」という拙論を、大学の紀要『美術史論叢』に書いたとき、大島花束編『良寛全集』によって、良寛の漢詩を引用する機会がありました。

 

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