2017年5月11日木曜日

三井記念美術館「西大寺展」12


 それでは、両界曼荼羅を同時に掛ける場合、方位と陰陽を齟齬なくするにはどうすればよいのでしょうか。そのヒントは、醍醐寺五重塔初層の壁画にあります。952年に完成した五重塔の初層内部は、両界曼荼羅で荘厳されています。

現在、心柱を取り囲む4本の柱は新しい素木の柱に取り替えられているのですが、本来はそこに両界曼荼羅が描かれていました。その一部が宝物館に展示されています。

「辻惟雄先生と行く敦煌・龍門の旅」以来、とくに親しくさせてもらっている有賀祥隆さんからいただいたその平面図によると、東側の2柱に金剛界が、西側の2柱に胎蔵界が描かれています。心柱を取り囲む壁画の東側は金剛界三会であり、西側は胎蔵界中央諸院の中央部分ですから、柱絵と心柱壁画を合わせて金剛界および胎蔵界となっているわけです。

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NHKカルチャー日本美術史8

また私は、土偶が吊り下げられたであろう柱木からトーテム・ポールを想起したが、この点に関しても、すでに研究が行なわれていることを知ってうれしかった。それは谷川磐雄「石器時代宗教思想の一端」 (1)(2) (『考古学雑誌』 13 - 4 ・ 5   1922 ・ 1923 )...