それ以前に、リンデン美術館所蔵アーウィン・フォン・ベルツ博士日本絵画コレクションを、ハイデルベルク大学において調査する機会がありました。そのときの大事件(!?)については、かつてアップしたことがあるように思いますが……。
帰国1週間前の木曜日になりましたが、調査すべき作品はまだ山のように残っています。仕方がないので、助手のアンジェラを先に帰し、夜の9時近くまで一人で続けていました。さて僕もホテルに戻ろうと思って裏口のところへ行きましたが、つねに内側からは出られるものと思っていたその扉も鎖錠されていて、押せども引けども開かないんです。職員はみんな帰宅していて、もう誰もいません。つまり閉じ込められちゃったんです‼
当然お腹が空いてきたので、表口のところで夕涼みをしていたトルコ人家族に、鉄格子越しにお金を渡しマックを買ってきてもらい、食べ終わると先の『日本画家辞典』を枕にして一夜を明かしたんです。翌朝アンジェラがやってきたので顛末を話すと、「それはラッキーだった」と笑うじゃありませんか。「もし今日の金曜だったら、3泊しなければいけなかったところよ」

0 件のコメント:
コメントを投稿