2018年5月17日木曜日

静嘉堂文庫美術館「酒器の美に酔う」ジャンクで一杯5


 「中国風俗カップ&ソーサー」は、2001年の夏、僕のコレクションに加わった。その3年前の夏休みから始まった「ボストン美術館所蔵日本絵画悉皆調査」も最終回を迎えたが、例年のごとく、真ん中の週末にニコル・クーリッジさんのスクワム湖サマー・ハウスへ遊びにいった。辻惟雄さんと佐藤康宏さんも一緒で、カヤックに乗ったりして愉快な一日を過ごした。

翌日は車でセンター・サンドィッチへ買い物に出かけたが、その中のショップでこれに出会ったのである。明らかに西洋人がイメージした中国風俗の印判手で、シノワズリーのような感覚がおもしろい。コーヒー茶碗だが、僕は一杯飲むときにソーサーだけをツマミ用小皿にずっと愛用してきた。柿ピー、イカクン、チーカマ、何でもよく合う。

裏には、”Petrus Regout & Co. MAASTRICHT , PAJONG, MADE IN HOLLAND”という窯名がある。こりゃ何だろうなぁと思っていたが、ネットをやるようになってから検索してみて驚いた。ペトラス・レグとは、19世紀に活躍したオランダ陶磁会社の創立者であり、また有名な政治家だったらしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』8

  渡辺浩さんの『日本思想史と現在』というタイトルはチョッと取つきにくいかもしれませんが、読み始めればそんなことはありません。先にあげた「国号考」の目から鱗、「 John Mountpaddy 先生はどこに」のユーモア、丸山真男先生のギョッとするような言葉「学問は野暮なものです」...