2017年8月28日月曜日

ひらがな刻んだ平安の土器2


さっそく僕もそのカラー写真で読んでみましたが、なかなかむずかしく、スンナリとはいきません。行きつ戻りつ、最終的に「われにまて思ひくゝるもしけいとのあはすすたるはふくるはかりに」としてみました。漢字交じりに直せば、「我にまで思ひ括るも絓糸の会はず廃るは老くるばかりに」となります。

絓糸[しけいと]とは、繭の一番外側の部分から繰り取った粗悪な絹糸、いってみれば屑糸のことです。『日本国語大辞典』を引いてみると、「わがこひは賎のしけ糸すぢよわみたえまはおほくくるはすくなし」という、『金葉集』からの実に愉快な一首が出ていました。

土器の歌を現代語にすれば、「貴方は私にまで深い思いを寄せて下さったけれども、これから先、絓糸織りの隙間のように会うこともなく、また傷みやすい絓糸織りのように衰えていってしまったら、お互いに爺むさくなっていってしまうでしょう。そうならないように、時々はお会いしたいものですね」となるでしょうか。

もっともこの解釈は、最近における僕の気持ちを込めた感情移入的なものです。アインフュールングです。リップスであり、フォルケルトです。それにしたがって、無理に読んだ字もあるんです(!?) 

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 2

  本展では、新版画に魅せられた米国のコレクター、ロバート・オットー・ミュラー (1911-2003) が築いた新版画を中心とする日本近代の版画コレクションを紹介します。 同氏は学生の頃に新版画に出会い、 日米開戦前に訪日し新版画を収集し、60年以上かけて4,500点近くにおよぶ...