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2025年3月31日月曜日

『アートリップ入門』4

 

林容子さんと知り合ったのは、尚美学園大学でした。もとの大学を定年になったあと、8年間ほどお世話になりましたが、林さんも同じ学部の先生で――しかもここでは先輩で、研究室は筋向い同士でした。

あるとき僕の研究室で、尾形光琳をテーマにするテレビ番組の収録が行われることになったのですが、そこには本がまったくありませんでした。尚美学園大学は川越にありますから、講義と教授会にでかけるだけで、執筆などの仕事はもっぱら自宅でやっていたからです。

そこで林さんの研究室を借りることにしたのですが、本はたくさん並んでいるものの、怪獣やアニメやお化けのフィギュアもこれまたたくさん並んでいるんです。テレビのディレクターが、これじゃ~雰囲気が出ないなぁというので、学長室を借りることになりましたが、あの林さんのフィギュアがバックに映っていたら、もっと盛り上がったのになぁ( ´艸`)


2025年3月30日日曜日

『アートリップ入門』3

林さんは、アメリカ人のように自分の意見を人前でしゃべることに慣れていない日本人の性格を考え、プログラムをより日本人向けに分かりやすく、チョッと楽しさおもしろさも加味してアートリップを完成させたのです。

実は僕も尚美学園大学で対話型授業をやったことがあるんです。ある作品のスライドを映し、適当に学生を指名し「この作品を見て感じたことを自由にしゃべってごらん」というと、「マジいいと思います」の一言で終わっちゃうんです() だから林さんのご苦労がよく分かります。

アートリップはブリヂストン美術館(アーティゾン美術館)から始まり、国立西洋美術館をはじめいくつかの美術館で定期的に実施できるようになっています。そのなかにかつてディレクターをつとめた秋田県立近代美術館が含まれているんです。こんなうれしいことはありません。

 

2025年3月29日土曜日

『アートリップ入門』2

本当なの?と疑っているアナタ、本当なんですよ!! 第2章「アートリップが起した変化」には、ご本人やご家族から寄せられた喜びの声がたくさん紹介されています。第3章「アートは認知症に効果があるのか」では、専門家のピーター・ホワイトハウスさんと島田裕之さんが、それぞれの立場からアートリップを分析し、その効果を明らかにしています。

ほんのチョッとだけですが、お手伝いした饒舌館長も「異議なし」と叫んでいるんですから間違いありません。アートにはこんな力が秘められていたなんて、美術史を仕事にしている僕にとって、灯台下暗しとはこのことだと思わずにいられませんでした。アートリップは林容子さんが日本で始めたプログラムです。林さんはニューヨーク近代美術館で始められた対話型アート鑑賞プログラムを参考にしながら、改良を重ねてきました。

 

2025年3月28日金曜日

横浜市民ギャラリー「横浜開港アンデパンダン展」3

 とてもアカンと思って画家をあきらめ、人の描いた作品にケチをつける方に回った僕は、天にも昇るような気持ちで是非出品させてほしいとお願いしたんです。今度はケチをつけられる方になるわけですから……。

23日に搬入、オープンの25日に行ってみると驚きました。10点ですから当然2段がけになるものと思っていたのですが、横一列に並べられているじゃ~ありませんか。かくのごとくストレートに並べれば、拙作でもグッと映えて見えます。 

去年アップした千墨会の藤崎千雲さんが、次期会長を託した葛西千麗さんと一緒に駆けつけて下さったので、一点一点説明をしていると、何だかアーティスト・トークをやっているような気分になったのでした()

 



2025年3月27日木曜日

横浜市民ギャラリー「横浜開港アンデパンダン展」2

 


 いよいよ横浜市民ギャラリーで「第13回横浜開港アンデパンダン展」が始まりました。31日(月)までです。予告させてもらったとおり、饒舌館長も出品したんです。僕は昭和51年から、自刻自摺モノクロシリーズの年賀状を出し続けて来ました。そのなかからベストテンを選び、「マイ年賀状」と題して出品したのですが、これにはわけがあります。

東海大学時代の学生である古川巧さんがアーティストの道を進み、個展を開くとともにこの横浜開港アンデパンダン展にも出品を続けてきました。その古川さんが今回も実行委員長となり、僕に年賀状を出品しませんかと声をかけてくれたんです。ご鳳声とはまさしくこれを言うのでしょうが、やはり東海大学時代の先生(!?)に対するソンタクがあったのかな()

2025年3月26日水曜日

『アートリップ入門』1

 


林容子『アートリップ入門』(誠文堂新光社 2020年)

 副題には「認知症のうつ・イライラを改善する」「対話型アート鑑賞プログラム」とあります。裏表紙には「認知症には医者よりアートが必要! 認知症の周辺症状の改善、予防効果を科学的に実証」と書かれています。表紙見返しのリードも紹介しておきましょう。

昔の、お母さんの顔になった

アートリップ(ARTRIP)の後にご家族が語った言葉です。

アートリップは認知症の方とそのご家族、介護士が一緒にアートを見つめて、気付いたこと、感じたことを自由に話し合うプログラムです。

一つの質問が発見を生み、認知症の方が自ら話し始める。そして、本人もご家族も想像しなかった時間が広がります。

それは、まさにアートを通した時空の旅となるでしょう。

さあ、一緒にアートの旅に出かけましょう。

2025年3月25日火曜日

『漢詩花ごよみ』春10

 先に渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ 百花譜で綴る名詩鑑賞』から、春の草花にちなむ漢詩5首ばかりを戯訳で紹介しましたが、そのあと一杯飲みながら全51首に戯訳をつけて遊びました。そのベストワンは蘇東坡の「衛八処士に贈る」です。これまた春の詩、蘇東坡が左遷された先で衛八処士に20年ぶりで再会した喜びを詠んでいます。このような詩に深く感じ入るようになったとは――やはり年のせいかな()

 人生 会う機を失えば オリオン・サソリ座そっくりに

 今日はうれしき夕方だ 一緒に灯下に居れるんだ!!

 若年時代はすぐに過ぎ お互い鬢びん・髪かみごま塩だ

 旧友 半ばはもう鬼籍 胸 熱くなる名を呼べば

 二十年後に君が家 また上がるとは予期もせず

 別れたときは君 独身 今は子どもが列をなす

 父の友うやまいニコニコと 「小父さんどこから?」我に問う

 答えぬうちに子どもらは 酒や飲み物 並べ立て

 春韮はるにら採りに傘さして…… 炊きたてご飯にゃ粟あわも入

 「こんな再会――めたとなし まずはグイーッと十杯を!!

 十杯やったがまだ酔わず 長き友情ありがとう

 明日 山川を隔てれば 自他の俗事が翻弄ほんろうせん

 

絶滅写真作家(!?)杉本博司さんの魅力を改めて感じさせてくれる特別展が竹橋で開催中です!!8

    僕 は 杉本さんの写真以外のお仕事をほとんど知らない ん です。 もっとも 料理については、 『趣味と芸術――謎の割烹 味占郷』(ハースト婦人画報社 2015年)を拝見して、感を深くしたことがありました。   杉本さんの手になるお料理は、 どれもこれもじつに旨そうな ん ...