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2026年10月1日木曜日

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」5

  


 そのキャプションは伝狩野孝信筆としました。土居次義先生がこの裏面にあった「琴棋書画仙人図」(米国・シアトル美術館蔵)とともに、孝信筆と推定されていたからです。もっとも『日本美術全集15<永徳と障壁画>』出版の直前に、小嵜善通さんが狩野永徳の弟・宗秀元秀そうしゅうもとひでの門人であった狩野宗眼重信筆とする見解を発表されていました。しかしまだ定説にはなっていなかったので、土居先生の孝信説にしたがって「伝狩野孝信筆」としたんです。その後も僕は、土居先生が孝信というんだから孝信でいいんじゃないの――といったいつもの調子でずっと過ごしてきました。

 ところが今回世紀の大発見が起こりました。起こしたのは畏友・山下善也さんです。その顛末と研究成果を、山下さんは「日英米の襖絵、150年ぶり奇跡の再会」と題してカタログに寄稿しています。朝日新聞で読み、あるいはNHK日曜美術館で観た方も少なくないでしょう。

2026年9月30日水曜日

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」4

 

 「僕の一点」は「秋冬花鳥図襖」ですね。素晴らしい桃山障壁画の傑作です。季節は秋から冬、湖水には鴨が楽しそうに泳ぎたわむれており、空からは2羽の雁が舞い降りようとしています。岸辺には4羽の雁がいて、早くおいでよと呼びかけているようです。 

大襖4面を効果的に使って、広やかな空間を創りだしていますが、左側の土坡や大きな檜がその空間をしっかりと支えています。力強く大らかな空間ですが、野放図に広がっていくわけじゃなく、ちょっとソフィストケートされた感じがスゴクいいですね!! 


この襖絵を僕は、毎日新聞社版『在外日本の至宝<障屏画>』(1980年)ではじめて知りました。その解説では筆者を長谷川派の画家にアトリビュートしています。その10年後辻惟雄さんと一緒に、講談社版『日本美術全集15<永徳と障壁画>』(1991年)を編集する機会に恵まれましたが、相談してこの襖絵を本図版として載せることに決めたんです。


2026年9月29日火曜日

ステップス・ギャラリー「a gentle breeze from Shonan 古川巧✖髙橋勉」<10月5日~10日>


 「a gentle breeze from Shonan 古川巧✖髙橋勉」二人展が10月5日から始まります。古川巧さんはこの「饒舌館長ブログ」に何回も登場してもらったと思います。場所は銀座4-4-13 琉映ビル5階にあるステップス・ギャラリーです。5日夕方5時から始まるオープニングセレモニーで、僕もフォークの弾き語りを数曲やらせてもらおうと思っています。押しかけ女房ならぬ押しかけフォークかな( ´艸`) 皆さん、ぜひ押しかけてくださいね❣❣❣ https://stepsgallery.jp/

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」3

 

 

当館の日本コレクションで最も充実しているのが、 江戸時代の品々です。幕政のもとで続いた泰平と繁栄を受けて創造的な 文化が花開いた時代でした。本展もこの時代のものを中心に、大英博物館のコレクションから、歴史的な重要性がひときわ高く、飛び抜けた魅力で目にも鮮やかな約200件を選り抜き、日本の過去と現在の連続性とその変化を考察します。注目すべき展示作品としては、比叡山の猿をユーモラスに愛らしく擬人化した 《猿草子絵巻》 (1560-1570年頃)、1949年の焼損以前に実物大で写された 《法隆寺金堂壁画 九号壁模本》、18世紀後期の革新者・円山応挙が豪華な金屏風に描いた傑作 《虎の子渡し図屏風》、 19世紀末期に英国の外交官アーネスト・サトウが収集した謎の浮世絵師・写楽の錦絵などが並びます。 このまたとない機会を、日本の多くの皆様に楽しんでいただけることを心から願っています。

2026年9月28日月曜日

<寺子屋池上×三遊亭竜楽>実相寺で春画×落語 第2回「恋は色いろ」

 

 「江戸城天守閣を再建する会」の渡辺俊之さんと、江戸文化研究家でFBフレンドのSolaさんに誘われて、楽しい一晩を過ごしました。三遊亭竜楽師匠は5代目三遊亭円楽に入門して真打ちに昇進、海外公演で欧米・中国を中心に65都市をめぐり7ヶ国語で語る国際派落語家です。


10年前、パリ日本文化会館で落語と浮世絵のコラボレーション「落語家/浮世絵・伝統と現代の出会い」を開催して喝采を浴びました。以後、浮世絵落語に取り組み、国内外で公演を重ねていらっしゃいます。


今回も7月7日パリで開いた春画落語公演の愉快な帰朝報告から始まりました。続いて「お菊の皿」、中入りをはさんでSolaさんの「和ごころトーク」、トリは竜楽師匠の「不孝者」――あっという間の2時間半でした。第3回は12月13日、第4回は年明けの2月14日に予定されています❣❣❣

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」2

 


大英博物館は、日本の美術工芸品と考古遺物の広範かつ包括的な収蔵品で世界に知られ、ヨーロッパでは最も充実しており、日本国外でも特に重要なもののひとつとみなされています。日本に由来する品は、当館の礎である1753年設立時点の収蔵品にも含まれていましたが、 数百年のうちに各種分野における日本コレクションが築き上げられ、今日では縄文時代から現代までを網羅する4万点に及ぶ収蔵品を擁するに至りました。 特に、 絵画が日本国外の機関としては稀にみるコレクションとなっており、木版画と工芸品 (陶磁器・漆芸品・金工品・織物) は何世紀にもわたってヨーロッパで名声を博してきました。さらに、考古・宗教・民族学的な資料も充実しています。 歴史的な所蔵品で知られる大英博物館ではありますが、伝統工芸の技を受け継いだ現代作家の作品展示も増えています。

2026年9月27日日曜日

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」1

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」<10月18日まで>

  いま東京都美術館で「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」展が開かれていることは、皆さん先刻ご承知でしょう。主催者の朝日新聞が、連日のように紙上紹介を行なっているんですから( ´艸`) まずは238ページ以上ある豪華カタログを開いて、大英博物館館長ニコラス・カリナンさんの「メッセージ」に耳を傾けることにしましょう。簡にして要をえた、大英博物館と日本美術コレクションの紹介になっています。


大英博物館は、 展覧会「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」を東京都美術館と大阪中之島美術館にて開催できますことを嬉しく存じます。本展は大英博物館と日本の、永きにわたる関係の延長にあります。これまで当館は15以上の展覧会を日本で開催しており、累計来場者数は370万人を超えました。 本展は、 東京都美術館開館 100周年の年に開催される意義深いものでもあります。

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」5

    その キャプションは 伝狩野孝信筆としました。 土居次義先生 がこの裏面にあった「琴棋書画仙人図」 (米国・シアトル美術館蔵) とともに、 孝信 筆と推定されていた からです。 もっとも 『日本美術全集15<永徳と障壁画>』 出版 の直前に、小嵜善通さんが 狩野永徳の弟・...