大英博襖絵の裏が米国・シアトル美術館の襖絵《琴棋書画仙人図》だったことは以前から知られていた。本展では、これら離れ離れになった絵が日本に里帰りし、150年ぶりに再会する。その感動的な場面に、私たちは立ち会えるのである。
近世絵画史研究の泰斗、 故・土居次義先生は、大英とシアトルの襖絵がまだ表裏にあった昭和初期に京都市内で調査され、昭和57年 (1982) 論文「海外の襖絵と狩野孝信」(『日本美術工芸』 528・529号)で次のように語られた。大英博襖絵には「秋、冬二季の花鳥的景観が描かれているわけだが、向かって右端に椿の枝が認められるし、それに梅の枝が添えられているところから推定すると、この花鳥図の向かって右方には、もと春、夏の花鳥的景観を描く画面があった可能性が考えられる。 (...) それを確かめるすべのないことが惜しまれる」と……。 その右方の襖こそ、詩夢庵の襖絵にほかならないのである。






