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2026年8月23日日曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!9

 


ところが密教では否定されねばならぬ五境に、逆に真理が象徴として宿っているのだと説く。またその象徴を理解するために、一般仏教ではその活動を停止することが求められている五感を、逆に思いきって活用せよという。こういったところに、果分を可説たらしめた密教の積極的な姿勢を読み取ることができるであろう。


目という感覚器官を活用するための対象として、密教の華やかな荘厳具とか儀礼、曼荼羅などがある。密教の道場は一般仏教の各宗派の道場に比して、まことにきらびやかである。また荘重な宗教儀礼が数々用意されている。さらに曼荼羅といった宇宙の真理を凝縮した図形がある。人はこれらから視覚を通じて真理より送られてくる暗号を解読し、その内容を具体的に把握することができる。

2026年8月22日土曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!8

 


コシマキに「インド・チベット調査の体験を踏まえ、現代人の見失ったコスモスをマンダラの中に捉え直し、密教の真髄を解明する」とあるとおりです。密教の真髄を解明した名著だと思います。松長は第3章「真理の表現」のなかで、つぎのように指摘しています。


人間の感覚器官には五種ある。目、耳、鼻、舌、身体がそれであって、仏教の術語によればそれを五根という。……五根の対象となるものを五境と名づけているが、色(物質)、声、香、味、触(皮膚に感じられる対象)の五種である。

 仏教では一般に五境は人の心に煩悩の迷いをおこさせるもとになると考えて、それを五塵とも名づけている。もとよりそれは修行者が悟りに向かうためには避けねばならぬ対象なのである。

2026年8月21日金曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!7

 


また僕の家の菩提寺である三ノ輪の永久寺は天台宗ですので、これまた密教なのです。 このように密教が日本に広がり深く信仰されたのは、その教義はともかく、日本人におけるものの考え方や感性と密教が、とても親和的であったからである――というのが独断と偏見です(´艸`)


儀軌の詳細はよく理解できなくても、日本人は違和感なく密教に馴染むことができたのではないでしょうかこれまで密教のことは『岩波 仏教辞典』や『新潮世界美術辞典』で知るだけだったので、この夏休み何冊か密教関係の本を読んでみました。そのなかで最も分かり易く、もっともよく腑に落ちたのは、松長有慶の『密教・コスモスとマンダラ』<NHKブックス486>(日本放送出版協会 1985年)でした。


2026年8月20日木曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!6

 

  

現在、我が国の仏教界において、密教がどの程度のパーセンテージを占めているのか存じあげません。しかし、きわめて大きな宗派であることは疑いないでしょう。事実、僕の家の近くにある大きな寺院は、宗泰寺と延命寺という二つですが、両者とも真言宗、つまり密教寺院なのです。


とくに延命寺は、弘法大師ととても縁が深いのです。天平時代、行基菩薩が逗子へやってきて手ずから地蔵菩薩像をお造りになりました。つぎの平安時代になると、今度は弘法大師がやってきました。ところが行基作の地蔵菩薩はお像だけだったので、大師は何とおいたわしいことと思い、これまた手ずから厨子を作ってお像をお納めになりました


これが「逗子」という地名の由来なのです。1200年近く前、弘法大師逗子まで旅をされていたです。そんなのガセネタに決まっているじゃないかという猜疑心の強い方もいらっしゃるでしょうが、寺伝というものはロマンでありストーリーなのでしょう。


2026年8月19日水曜日

静嘉堂文庫美術館「元禄!師宣劇場」2

 


そしてこのたび吉田恵理さんが軸木の「元禄六年酉ノ三月廿九日」という決定的証拠を発見この特別展開催を決定的にしたのです師宣が没したのは元禄7年6月4日ですから、確かに師宣在世中の制作であり、元禄5年から6年にかけて描かれたのでしょう。そう思って見れば見るほどすばらしい。師宣傑作中の傑作、これを実見せずしてもう師宣を語ることも、浮世絵を云々することもできません!!


詳細については、吉田さんの本展カタログ論文「元禄!師宣劇場『十二ヶ月風俗図巻』を読む」を読むようおススメしたいと思います。この浮世絵研究史上における特筆すべき偉業を成し遂げた3人の研究者が、すべて女性というの特筆すべきことです。


この記念的特別展を記念して――今回はなぜか言葉の繰返しが多いようですが( ´艸`)、以前もアップした日比谷高校S37卒美術ファンの面々で一緒に鑑賞したのでした。この日はフリー・トーク・デーだったので、饒舌館長もまったくストレスがありませんでした(!?)

2026年8月18日火曜日

静嘉堂文庫美術館「元禄!師宣劇場」1

 


静嘉堂@丸の内「元禄!師宣劇場」<8月23日まで>

静嘉堂文庫美術館には浮世絵の創始者・菱川師宣にアトリビュートされてきた「十二ヶ月風俗図巻」上下2巻があります。しかし一般に知られてきた師宣の基準作と比較すると、描写があまりにも丁寧でやや硬い感じを与えるためでしょうか、師宣直筆か否かについては疑問視されてきました。これだけの出来映えなのに、無落款であることも疑念を抱かせたのでしょう。


しかし4半世紀ほど前、千葉市美術館で空前絶後の「菱川師宣展」を企画した田辺昌子さんが、その真価を最初に見抜いて師宣晩年名作に位置づけたのです。続いて小林優子さんが『國華』1357号<特輯 新出菱川師宣の肉筆画>に論文を寄稿して実証性を高めました。師宣版本『年中行事之図』などとの共通図様を見いだすとともに、高位貴顕による注文品のゆえに落款をあえてはばかった可能性を指摘したのです。


2026年8月17日月曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!5

 


三密とは身密(手で印を結ぶ)・口密(真言を唱える)・意密(心に仏をイメージする)で、身体・言語・意識の結合が求められるのだ。 そして、仏を念ずるための 具体的なビジュアルイメージソースとして、密教美術は重要な役割を果たす。「密蔵は深玄にして翰墨に載せ難し。更に図画を仮りて悟らざるに開示す」という「御請来目録」の著名な一節は、密教美術に対する恵果と空海の考えを端的に表わしている。


 密教はきわめて難しい教えである――この事実がいよいよもって明白になり、はっきりとしてくるでしょう。こんな深遠なる教義が広く日本人の心をとらえ、どうして厚く信仰されるようになったのでしょうか? なぜ密教僧ではない普通の日本人の間で人気仏教(!?)になったのでしょうか?

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!9

  ところが密教では否定されねばならぬ五境に、逆に真理が象徴として宿っているのだと説く。またその象徴を理解するために、一般仏教ではその活動を停止することが求められている五感を、逆に思いきって活用せよという。こういったところに、果分を可説たらしめた密教の積極的な姿勢を読み取ることが...