2026年3月11日水曜日

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 8



サウダーデというのは、ポルトガル人特有の感情を表わす言葉として、よく引用されるものである。対応する日本語や英語はないが、「愛する人やものの不在により引き起こされる、胸の疼くような、あるいは甘いメランコリックな思い出や懐かしさ」と言われている。望郷、懐かしさ、会いたいが会えない切なさ、などはみなサウダーデである。単なる悲哀ではなく、甘美さと表裏一体をなしているのが、この言葉の特色である。 


僕は流行りのジェミニAIも試してみました。すると「サウダーデ」は基本的に「郷愁」「切ない」という意味であるが、ニュアンスは多層的である。「失われたものへの思慕」や「幸福な記憶とセットの痛み」を含意するそこにはつねに「前向きな響き」があると答えてくれました 。

2026年3月10日火曜日

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 京都の清水寺は何度か訪ねましたが、いつも雪なんか降っていませんでした。しかし「春の雪(京之清水)」をながめていると、やはり懐かしく思い出されてくるのです。デジャブというのでしょうか、不思議な感覚です。 

あれもこれもみんな懐かしいなぁと感慨に浸っていると、「サウダーデ」というポルトガル語が思い出されてきました。「カステラ」は別にして、僕が知っているただ一つのポルトガルです。2003年、藤原正彦さんの『父の旅 私の旅』(新潮社 1987年)を読んで、深く心を動かされるとともに、このポルトガル語を知ったです。


イギリス・ノリッジにあるセンズベリー日本文化研究所の図書室に本書があったのです。日本を愛した異国の人の足跡を求めて異国を旅した話を異国で読んだので、ことさら印象深いものがありました。今回このトワイライト巴水印象記を書くため、逗子市立図書館から借りてきて再読、改めて名著だと思いました。藤原さんは次のように書いています。 

2026年3月9日月曜日

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 太平洋戦争が終わって中国から帰って来た僕の親爺は、秋田県米内沢の済生会病院につとめ出しました。そのころの記憶にほんのわずか残っている雪景色を、巴水の「雪に暮るゝ寺島村」が呼び覚ましてくれるのです。 

小学校に入るチョッと前から大田区の大森山王で暮らすようになりましたが、その桜の季節は「春のあたご山」がよみがえらせてくれます。もうそのときは、巴水が描くような着物着ていなかったはずなのに……。


小学校4年のとき一駅隣の蒲田へ引っ越しましたが、近くを流れていた呑川の夕焼け、巴水の「木場の夕暮」とダブルイメージになって年老いた網膜に映るのです。

 

そのころ夏休みの何週間は、お袋の田舎である秋田の本荘で過ごしていましたが、ときどきお祖父ちゃんは本荘浜に連れていってくれました。巴水の「松島かつら島」を見ていると、その本荘浜が重なるようにして浮んでくるのです。 

2026年3月8日日曜日

5月5日鎌倉市生涯学習センターで「華やぐ北斎江戸絵画 饒舌館長ベストテン」を口演します❣❣❣


詳細は下記へアクセスのほどを❣❣❣
 https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/2026-hokusai_event.html

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 川瀬巴水――懐かしい!!といった得もいえぬ気持ちにさせてくれる画家です。はっきりいって、パッと見たときの圧倒的感動は皆無です美術史的興味を掻き立ててくれる、強烈なモチーフが眼球に飛び込んでくるわけでもありません。もちろん官能を刺激する要素はゼロに等しい。ただただ懐旧の情を呼び起こして、小さな画面の前に立つ僕を癒してくれるのです。 


そんなの絵画としておもしろくないじゃないか、爆発がなきゃ芸術じゃない、あまりにも退嬰的世界じゃないかと言う人がいたら、「そのとおりですけど……」と言って通り過ぎることにしましょう。 

2026年3月7日土曜日

半蔵門ミュージアム講演(口演)「徳川時代の富士山図 饒舌館長ベストテン」無事終了❣❣❣

 


 すでに予告していた半蔵門ミュージアム企画展「富士山 花と雲と湖と」にちなむイベント講演、いや、口演がつつがなく終わりました。会場にお越しの方、リモートで聴講してくださった方々、まことにありがとうございました。

 今回は大好きな江戸時代絵画の話だったので、とくに力を込めて準備したつもりですが、感想はいかがでございましょうか。忌憚のないご意見をお寄せくださいませ。アンケート用紙には「大変ためになり、かつ面白かった。是非また聴きたい」と書いてほしいのですが( ´艸`) 

 わざわざ付き合ってくださった山本勉館長、桑原一郎事務局部長、準備段階からお世話になった岡崎寛徳主任学芸員をはじめ館員の方々に心から感謝申し上げます。本事後報告をアップしているこの「饒舌館長ブログ」を、改めてよろしくお願い申し上げます。

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 4


確かに渡邊庄三郎が目指した新版画は、旧型に囚われず、画家の個性を発露させた芸術品でした。しかし僕は、そこに江戸の美意識、さらにいえば伝統的な日本人の美的感性が色濃く反映しているように感じてきましたその理由の一つ22歳までは江戸時代に生きた清親からの影響だったことに気づかせてくれました。そのほかにも多くの示唆を与えてくれる、饒舌館長おススメの展覧会です!! 


 「僕の一点」、いや、「僕の一人」は何といっても川瀬巴水ですね。今回も深く心を動かされました。一点一点、ただじっと眺めるだけでいいのです。言葉はいっさい不要です。何かしたり顔で解説を加えたりすれば、巴水に礼を失することになります。しかしそうはいってもやはり饒舌館長です――チョッとはしゃべらずにいられません じつは先日NHK青山文化講座「魅惑の日本美術展」でもうしゃべっちゃったのですが( ´艸`)

 

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 8

サウダーデというのは、ポルトガル人特有の感情を表わす言葉として、よく引用されるものである。対応する日本語や英語はないが、「愛する人やものの不在により引き起こされる、胸の疼くような、あるいは甘いメランコリックな思い出や懐かしさ」と言われている。望郷、懐かしさ、会いたいが会えない切な...