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2026年10月9日金曜日

出光美術館<門司>「水墨画の巨匠たち 雪舟から鉄斎まで」1

 

出光美術館<門司>「水墨画の巨匠たち 雪舟から鉄斎まで」<11月3日まで>

 すでに何度か紹介させてもらった出光美術館<門司>ですが、現在の建物がオープンしたのは2016年のことでした。いま開催中の「水墨画の巨匠たち 雪舟から鉄斎まで」展には、「新館開館10周年記念」というキャッチコピーが冠されています。

日本の水墨画を生み出した雪舟に象徴される室町時代から、長谷川等伯たちが活躍した桃山時代、続いて百花繚乱の江戸時代まで、水墨画の歴史が分かりやすく、しかも楽しく通観できる展覧会です。近代は富岡鉄斎という超個性的な文人画家に代表してもらっています。キューレーターの立畠敦子さんがとてもうまく仕立ててくれました。先日行なわれた内覧会では、立畠さんのギャラリートークを聞きながら堪能、翌日は河合正朝さんの講演を拝聴、河合水墨画論から多くを学んだことでした。

2026年10月8日木曜日

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」12

  

 花鳥之間の南側に仙人之間があって、あと4面、さらには8面にわたって仙人か唐人物が描かれていたのではないでしょうか。山下善也さんが紹介してくれた速水春暁斎「多武峰之図」の「竹林坊学頭屋敷」をみると、とても立派な建物ですから、二部屋だけだったとは考えられないからです――いよいよ妄想と暴走になってきたかな(´艸`)

ところが改めてカタログを通読したところ、シアトル美術館キューレーターをつとめるアーロン・リオさんが、すでに指摘していたんです。「琴棋書画仙人図襖」は隣接する壁面へ続いていた可能性があると……。そうなると僕の妄想と暴走じゃなくなってきます!!


しかしこんなゴチャゴチャした問題など、「饒舌館長ブログ」ファンにはどうでもいいことでしょうから、最後に先の『國華』1569号<宮越家特集号>を是非おススメしたいですね!! 特別定価になっていてお買い得ですよ!!


ヤジ「特別定価とはいいながら65ページで8800円もするそうだが、おススメする以上オマエが少しは出してくれるのか!?」

2026年10月7日水曜日

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」11

 


とはいえ、宗眼重信も基本的には伝統的な障壁画の画題方式にしたがっています。花鳥之間の西側には富士之間があります。文字どおり霊峰富士が描かれていたと推定される部屋ですが、この部屋の南側には床の間がしつらえられていました。つまり富士之間は花鳥之間より格式が高い部屋でした。重信は格式が高い部屋に富士山を配し、下位の部屋に花鳥を描いたのです。


狩野派では山水>人物>花鳥というように画題のヒエラルキーが決まっていました。ですから格式の高い部屋には山水、中位の部屋には人物、下位の部屋には花鳥を描くというのが伝統的ルールでした。重信はこの伝統を守っているのです。そうなるとシアトル美術館所蔵の「琴棋書画仙人図襖」は、単に「秋冬花鳥図襖」の裏側にあったというだけじゃ~すまなくなります。

2026年10月6日火曜日

東文研「研究フォーラム第1回」饒舌館長特別講演 是非リモート参加を❣❣❣

 下記の要領で東文研「研究フォーラム第1回」が開かれます。上野まで出てくるのが大変でしたら、是非リモート参加をお願いしましょう。申し込みは今日と明日までです。饒舌館長の特別講演だけでも聴いてね😄

東京文化財研究所では、日本の画論・画史・画譜の調査・翻刻を進め、まとまったテキストデータを蓄積してきました。本フォーラムでは、この資料基盤をもとに日本の画論研究の新たな可能性と研究基盤のあり方を議論します。日本美術史、東アジア美術史、デジタル人文学など多様な分野の研究者が、専門を越えて対話し、今後の研究の方向性をともに考える場を目指します。

開催日時2026年10月9日(金) 13:00~(12:30開場)
会場東京文化財研究所 セミナー室
開催方式対面開催/オンライン配信(Zoom)

プログラム

13:00~特別講演 河野元昭(出光美術館理事・東京大学名誉教授)
「日本の画論と坂崎坦」
ー休憩ー
14:30~15:00基調報告 小野真由美(東京文化財研究所)
「日本の画論 再読ー中国画論と渡辺玄対『辺氏画譜』を起点として一」
ー休憩ー
15:15~16:30総合討議 門脇むつみ(大阪大学)・水野裕史(筑波大学)
16:30~17:00情報交流会(会場のみ、オンラインは16:30終了)

申込み方法

所定フォームにて承ります。ご来場およびオンラインのご参加は、下記URLかQRコードよりお申し込みください。
締め切り:10月7日(水)

https://forms.cloud.microsoft/Pages/ResponsePage.aspx?id=CEMC3c24YEKhj2QXiRhXAjC-R99zZe9JgW8p1H-CbgZUNUJWWERWVDFQVzdPRkVLUFFaSkxXRzY1UCQlQCN0PWcu

お問い合わせ

銀座ステップス・ギャラリー「a gentle breeze from Shonan 古川巧✖髙橋勉」オープニングパーティー

 


 先日お知らせした銀座ステップス・ギャラリー「a gentle breeze from Shonan 古川巧✖髙橋勉」展が始まりました。お二人の最近作は銀座4丁目にふさわしい洒落た画趣にあふれ、コンパクトな会場を濃密なアート空間に昇華させています。会場のベランダで始まったオープニングパーティーは、銀座の夜を昼に変えるようなライトとワインで盛り上がったことでした。僕はチープなフォークギターを抱えて行き、チープな数曲を熱唱して錦上花を添えました。花といっても枯れ尾花でしたが😓 僕の左隣りが古川さん、その左が髙橋さんです。改めてお二人に「おめでとう❣❣❣」

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」10

  


  このあと山下さんは「作者は狩野宗眼重信、今後注目の絵師!」と、先に述べた筆者問題に突入していくのですが、あまりに長くなっちゃいますから、カタログをお読みいただくことにしましょう。

山下論文によると、「春景花鳥図」と「秋冬花鳥図」は、廃仏毀釈により談山神社になるまえの多武峰妙楽寺・学頭屋敷を飾る襖絵でした。その花鳥之間の西側に前者が、南側に後者がはめられていたんです。これを知って僕は、とても興味深く感じました。


このころの襖絵は基本的に東=春、南=夏、西=秋、北=冬という四方四季の観念をもとに描かれています。たとえ建物が正しく南面していない場合でも、画面の春夏秋冬は時計回りに進んでいきます。ところがこの花鳥之間では、春から秋冬へと反時計回りになっていますね。つまり、四季花鳥図屏風一双における四季の進行に近いのです。何故なのでしょうか?


それは東と北には襖絵が描けないような構造であったため、宗眼重信は四方四季という伝統的構成をあきらめ、西と南の二面を屏風のように見立てて描いたためだというのが独断と偏見ですね。そのためにとてもまとまりのある空間が生れたんだと思います。部屋から引っ剥がされた襖絵を見せられているような、居心地の悪さを感じることもなく、僕たちは安心してこのシャングリラに遊ぶことができるんです。


上の写真はネットからゲットした一枚ですが、すごいことになっていますね。「安心してこのシャングリラに遊ぶ」どころの話じゃなくなっているみたいです❣❣❣ 

2026年10月5日月曜日

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」9

 


私は2025年6月から日課として膨大な談山神社古文書のチェックを始めた。 ひと月ばかりたった頃、学頭の日誌を見ていて胸が高鳴った。 頻出する「花鳥之間」「富士之間」の記事。 竹林坊学頭屋敷のこれらの部屋に社僧たちが一堂に揃い、盛んに行事を営んでいたのである。 天保4年(1833)7月3日の条では間取り図を掲載、 儀式の際に学頭や幹部らの座る位置が図示される。 桃山末の襖絵は幕末まで確かに用いられていたのだった。(略)


明治2年(1869)、神仏分離令により多武峰妙楽寺は廃されて多武峰談山神社と改称。 やがて竹林坊棄却、 障壁画も売却された。 50年後の大正11年(1922) 詩夢庵襖絵群は、東京での入札を経て青森へ。 


その10年後の昭和6、7年 (1931 1932) 頃、 土居次義氏 が《秋冬花鳥図》《琴棋書画仙人図》 両面襖の状態で、 京都市内で調査。ほどなく表裏が分離され、1937年に大英博物館が 《秋冬花鳥図襖》を購入、戦後の1951年にシアトル美術館が《琴棋書画仙人図襖》を購入したのであった。

出光美術館<門司>「水墨画の巨匠たち 雪舟から鉄斎まで」1

  出光美術館<門司>「水墨画の巨匠たち 雪舟から鉄斎まで」< 11 月 3 日まで>  すでに何度か紹介させてもらった出光美術館<門司>ですが、現在の建物がオープンしたのは 2016 年のことでした。いま開催中の「水墨画の巨匠たち 雪舟から鉄斎まで」展には、「新館開館 10...