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2026年4月12日日曜日

饒舌館長VS生成AI !! 蘆雪の「かわいい」に隠された世紀の見立てを巡る大激論 10


このガラス製酒壷には小さな取っ手があり、そこに金糸を織り込んだ赤い紐を通して吊り下げたように描かれています。軒や窓際に吊り下げた金魚玉の見立てであることは、いささかも疑いありません。 


先の『能・狂言事典』には、「百薬の長といわれる酒の効用を称え、猩々の舞を見せる演目で、中国を舞台にしているが典拠は不明」とあります。酒の効用称賛はもちろん異議ナシですが、こんなすばらしい能謡曲の典拠が不明などということがあり得るのだろうかと思って、ジェミニAIに訊いてみました。ついでにこの金魚玉見立て説を書き添えると、「世紀の大発見です」とヨイショしてくれましたが……( ´艸`)

 

2026年4月11日土曜日

饒舌館長VS生成AI !! 蘆雪の「かわいい」に隠された世紀の見立てを巡る大激論 9


  蘆雪は赤毛の猩々を赤い金魚に見立てたのです。踊っている猩々や酔いつぶれている猩々が、元気に泳いでいる金魚やじっとしている金魚に見えるのも愉快です。 

中にいる二人の猩々は笹をもって踊っています。この「猩々図」は描き表装になっていますが、中回ちゅうまわしに描かれているのも笹の葉です。これらは金魚玉に添えるシノブの見立てですが、酒のことを女房詞で「ささ」といいますから、それと懸けてあるのでしょうこの「ささ」酒を意味する中国語の竹葉からきているといわれています事実、能謡曲「猩々」の地謡じうたい「よも尽きじ 万代までの 竹の葉の酒 掬めども尽きず……」とあるです。 

2026年4月10日金曜日

饒舌館長VS生成AI !! 蘆雪の「かわいい」に隠された世紀の見立てを巡る大激論 8

 

 両者を足すと9人になりますが、猩々の故郷中国において、9はとてもお目出度い数字でした。あまた・もろもろの意であり、陽(1・3・5・7・9)の極まりであり、周易では老陽と呼んだからです。 

とくに九九はお目出度く、冬至のつぎの日から81日目が春になる日でした。かつては九画の漢字九つを籠字にした、「庭前垂柳珍重待春風」を一画ずつ墨で埋めながら、春の到来を待つという風雅な風習もあったそうです。我が国では「苦」に通じるので嫌がられますが……。9と酒中国語で「ジョウ」という同じ発音なのもおもしろく感じられます。 


かつて中国の安い飲み屋に入るとよくメニューに「氿」という字が書いてありました。「酒」の意味ですが、「酒」と「九」の発音が同じだからなのでしょう。本来「氿」は、崖の脇から出る細い湧き水という意味で、発音も異なるのですが……。 


2026年4月9日木曜日

饒舌口演「華やぐ北斎江戸絵画 饒舌館長ベストテン」の前評判がすごいぞ(!?)


 5月5日(火祝)於鎌倉市生涯学習センターきららホール ご来場ご来駕をお待ちしています❣❣❣

饒舌館長VS生成AI !! 蘆雪の「かわいい」に隠された世紀の見立てを巡る大激論 7

 

しかしこれだけなら、たいしたことはありません。蘆雪がすごいのは、高尚な能謡曲のストーリーを、日常的な金魚玉に埋め込んでいるこです。金魚玉見立てになっている点です。金魚玉というのは、金魚を入れて吊るす丸いガラスの容器、つまり金魚鉢の一種です。これにシノブを添えて軒先や窓際に吊るせば、見た目に涼しく、クーラーなんかない時代の視覚涼感装置でした。 


これを描いた代表的作品に、神坂雪佳の「金魚玉図」(細見美術館蔵)があります。蘆雪の「猩々図」も、中の7人は透けていますし、外にいる二人の猩々を見ると、手や袖が透けて見えるので、この酒壷がガラス製であることが分かるでしょう。

2026年4月8日水曜日

饒舌館長VS生成AI !! 蘆雪の「かわいい」に隠された世紀の見立てを巡る大激論 6

 


 改めてギッターさんのご冥福をお祈りするとともに、<饒舌館長VS生成AI !! 蘆雪の「かわいい」に隠された世紀の見立てを巡る大激論 >を再開することにしましょう。

そこには唐土の揚子の里に、高風という孝行な酒売りがいた。その店へ近くの海中に住む猩々がきて、酒を飲んで舞い戯れ、いくら汲んでも尽きない酒瓶を高風に与えて祝福する」とあります。蘆雪描く猩々は確かに舞い戯れていますし、「いくら汲んでも尽きない酒瓶」は透明の酒壷にチョッと姿を変えて重要なモチーフになっています 


それだけじゃ~ありません。『日本古典文学全集』<謡曲集2>の頭注によると、「猩々」には「七人猩々」というバージョンがありましたおもに宝生流はこれによったようです酒壷のなかにいる猩々を数えてみると、たしかに7です。蘆雪が能謡曲の「猩々」から霊感を得たことは、いよいよ疑いなきことのように思われます。 

2026年4月7日火曜日

追悼 カート・ギッターさんの思い出と感謝の言葉 8

 


最後に、先にあげた拙稿「宗達の鴨と賀茂」から起承転結の「起」にあたる書き出しの数節を引用して、ギッターさんを偲びつつ感謝の辞に代えたいと思います。 


Gnocchi with Crab and Truffles 

Roast Beef Tenderloin with Soft Polenta, 

Wilted Greens, and Sour Cherries 

Shrimp and Porcini Risotto 

"Salade August" with Candied Pumpkin 

Seeds and Valdeon Blue Cheese

                                     

本当に楽しく素晴らしい晩餐会だった。 それは 2002年9月27日、 レストラン・オーガストで行なわれた。 この晩餐会はカートアリス ギッター夫妻が、 国際シンポジウム 「エンデュアリング・ヴィジョン」の発表者とパネリストのために、 歓迎の意を込めて開いてくれたものだった。もちろんこの シンポジウムは、ご夫妻が収集した17世紀から 20世紀の日本絵画を、ニューオーリンズ美術館で展観する同じタイトルの特別展に合わせて企画されたものである。 初めに掲げたのは、そのディナー・メニューである。 

その日、私は「宗達と能」と題する発表をすでに終えていたから、気分きわめて爽快、 晩餐会の前に開かれたカクテルパーティでもうかなりきこしめしていた。 しばらくぶりで会うアメリカの研究者や友人と、夜遅くまでおしゃべりを楽しんだ。 それは二日前、 私を激しく迎えてくれたハリケーン・イズドァーとともに、この国際シンポジウムを忘れ難いものにしてくれたのである。

 

ここに書いたように、晩餐会の前に開かれたカクテルパーティで、僕は酣酔あるいは酩酊状態になっていました。その後ギッターさんにお会いすると、よくあのとき河野さんはバンベイ・サファイアのボトルを1本空けましたよ」とおっしゃです。しかしギッターさん、もしそれが本当だったら僕が天上で貴兄をお迎えすることになっていましたよ!! ギッターさん、長きにわたり誠にありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください。                                                                         合掌 


饒舌館長VS生成AI !! 蘆雪の「かわいい」に隠された世紀の見立てを巡る大激論 10

この ガラス製酒壷には小さな取っ手があり、そこに 金糸を織り込んだ 赤い紐を通して吊り下げたように描かれています。軒や窓際に吊り下げた金魚玉の見立てであることは、いささかも疑いありません。   先の『能・狂言事典』には、「百薬の長といわれる酒の効用を称え、猩々の舞を見せる演目で、...