「僕の一点」は「秋冬花鳥図襖」ですね。素晴らしい桃山障壁画の傑作です。季節は秋から冬、湖水には鴨が楽しそうに泳ぎたわむれており、空からは2羽の雁が舞い降りようとしています。岸辺には4羽の雁がいて、早くおいでよと呼びかけているようです。
大襖4面を効果的に使って、広やかな空間を創りだしていますが、左側の土坡や大きな檜がその空間をしっかりと支えています。力強く大らかな空間ですが、野放図に広がっていくわけじゃなく、ちょっとソフィストケートされた感じがスゴクいいですね!!
この襖絵を僕は、毎日新聞社版『在外日本の至宝<障屏画>』(1980年)ではじめて知りました。その解説では筆者を長谷川派の画家にアトリビュートしています。その10年後辻惟雄さんと一緒に、講談社版『日本美術全集15<永徳と障壁画>』(1991年)を編集する機会に恵まれましたが、相談してこの襖絵を本図版として載せることに決めたんです。






