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2026年7月18日土曜日

木下直之さんの「やっぱりゾウが好き」展――山椒は小粒でもピリリと辛い!! 7

 


  12冊同じ表紙を使うわけですから、表紙の作品と掲載論文の内容が齟齬することは普通に起こることですが、このときは大変なことになってしまいました。というのは、この特輯号を養源院さんが檀家や関係者に配ることになっていたからです。

こんな大切な配り物の表紙が無関係の「白小葵鳳凰文袿」では、天下の宗達寺として面目が立ちません。養源院さんと『國華』は相談をして、その配り物だけ表紙を宗達の「白象図杉戸」にするという、特輯号の特別号(!?)を作ったです。養源院さんにも『國華』にも、大変なご迷惑をかけてしまいました研究上における人生最大の苦い思い出です。


それにしてもかの林健太郎先生は、生涯一度も締め切りと破ったことがないそうですさすが東大総長をつとめるような研究者は違うものだと思います。違うと思いますが、遅筆の僕にはとても信じられません。少なくとも若いころ、締め切りどおりに脱稿した原稿なんて一つもないですから!!


 ヤジ「そんなことを威張ってどうすんだ? いや、いつもの居直りというヤツだな」

2026年7月17日金曜日

木下直之さんの「やっぱりゾウが好き」展――山椒は小粒でもピリリと辛い!! 6

 


『國華』特輯号マルマル一冊ですよ!! すぐに養源院を再訪して調査させていただき、執筆に取り掛かりましたが、もともと遅筆の僕ですから、締め切りというか、脱稿が大幅に遅れてしまいました。


月刊誌の『國華』では1編(年をまたいだ1年間12冊、同じ作品の表紙を使うことになっています。「養源院宗達障壁画特輯号」を含む第92編は、これに合わせて宗達の「白象図杉戸」を表紙とすることが決まっていました。ところが僕の締め切り違反のため、1106号として出たときは、次の第93編になっていました。つまり表紙は宗達の「白象図杉戸」じゃなく、鶴岡八幡宮の国宝「白小葵鳳凰文袿しろこあおいほうおうもんうちきになっていたです。

2026年7月16日木曜日

木下直之さんの「やっぱりゾウが好き」展――山椒は小粒でもピリリと辛い!! 5

デパートの屋上でたかちゃんと撮った写真を一般公募したところ、130名を超える方々から貴重な写真をお寄せいただきました。 これらの写真からは、ゾウのたかちゃんが戦後復興期に平和のシンボルであったこと、人々に希望を与える存在であったことをうかがい知ることができます。 


たかちゃんのお骨も初の里帰りを果たし、等身大のバルーンも登場します。現代版「ゾウのいるデパート」で、「平和の使者」たかちゃんに出会っていただけると幸いです。


 僕にとって象の絵といえば、何といってもかの京都・養源院を飾る俵屋宗達筆「白象図杉戸」ですね。傑作だからかって? いや、苦い思い出があるからです。40年ほど前、『國華』で「養源院宗達障壁画特輯号」を編集発刊することになり、僕に編集執筆が任されたです。

2026年7月15日水曜日

木下直之さんの「やっぱりゾウが好き」展――山椒は小粒でもピリリと辛い!! 4

 


河鍋暁斎は本物のゾウを目にしつつ、 楽しい戯画へと転換しました。 江戸時代に将軍吉宗に献上されたゾウが一大ブームを巻き起こしたことで、山王祭に巨大なゾウのつくりものが登場しました。 幕末からは、ゾウが見世物やサーカスの、 そして動物園の人気者となりました。 ところが戦時下で、「猛獣処分」により多くのゾウの命が奪われます。 ゾウもまた、戦争とは無縁でありませんでした。


だからこそ、 戦後まもなく日本橋高島屋の屋上へやってきたたかちゃんは 「平和の使者」として迎えられたのです。 まどみちおさんが歌詞を書いた「ぞうさん」は、当時のゾウ人気から生まれた童謡です。


本展では「ゾウに乗る」「ゾウを洗う」「ゾウを贈る」「ゾウを曳く」「ゾウを操る」「ゾウを食べる」「ゾウが招く」 をキーワードに、 ゾウと日本人の歴史をひも解きます。 時代とともに、ゾウに託したものが変わってきたのです。

2026年7月14日火曜日

木下直之さんの「やっぱりゾウが好き」展――山椒は小粒でもピリリと辛い!! 3

 


 戦後間もない19501954年、 日本橋高島屋の屋上には「たかちゃん」という1頭のゾウが暮らしていました。 上野動物園に引き取られるまでのわずか4年間――それは短い時間でしたが、敗戦から立ち上がろうとする日本にとって、その存在は決して小さなものではありませんでした。 賢くて優しく、芸達者だったたかちゃんは、多くの子どもたちに愛されました。


それにしても、なぜ、デパートの屋上にゾウなのか。 本展では、たかちゃんを起点に、ゾウという動物が日本社会でいかなる意味を与えられてきたのかをたどります。


日本にゾウはどのように現れたのでしょうか。 はじめは象牙でした。 ついで、ゾウに乗る普賢菩薩像や涅槃図によってゾウの姿が知られるようになります。 伊藤若冲や長沢 芦雪が描いたゾウはめでたい吉祥図でした。 

2026年7月13日月曜日

木下直之さんの「やっぱりゾウが好き」展――山椒は小粒でもピリリと辛い!! 2

 


これまた先日アップした長沢蘆雪の旧プライス・コレクション「白象黒牛図屏風」や鹿苑寺の「白象唐子図屏風」も陳列され、改めて蘆雪という鬼才に驚かされるのです。もっともこれらはみな複製――とてもよく出来た複製ですが、何しろ「入場無料」なんですから贅沢はいえません( ´艸`)


それよりおもしろいのは、初代の象印魔法瓶、あの懐かしい小象のサトちゃんをイメージキャラクターにしたサトウ製薬のサトちゃんムーバーです。もちろんこちらはオリジナル、触りたくなってもゼッタイ触らないでください!! しかしなぜ高島屋史料館TOKTOで「やっぱりゾウが好き」なのか? いまの若い人にはソウゾウもつかないでしょう。もちろんその答はチラシに書いてあります。

2026年7月12日日曜日

木下直之さんの「やっぱりゾウが好き」展――山椒は小粒でもピリリと辛い!! 1


高島屋史料館TOKYO「やっぱりゾウが好き」<8月31日まで>


 名著『見世物としての美術』を著わして、洛陽の紙価を高からしめた畏友・木下直之さんらしい展覧会、いや、彼にしかできない展覧会が、高島屋史料館TOKYOで開かれています。高島屋史料館TOKYOといっても、知っている方は少ないかもしれませんが、日本橋高島屋本館の4階と5階にあります。


5階の方は旧貴賓室で、こちらはイベントなどで使われるだけですので、この「やっぱりゾウが好き」展が開かれているのは4階のギャラリーです。ギャラリーといってもチョッと大きめの部屋というべきかもしれませんが、むしろ小さな玉手箱に閉じ込められた感じでスゴクいいです!! 


そこに東京国立博物館の国宝「普賢菩薩像」から、先日アップしたイスラエル・ゴールドマン・コレクションの河鍋暁斎筆「鍾馗騎象図」までが展示されているです。

木下直之さんの「やっぱりゾウが好き」展――山椒は小粒でもピリリと辛い!! 7

     12冊同じ表紙を使うわけですから、表紙の作品と掲載論文 の内容 が齟齬することは普通に起こることですが、このときは大変なことになってしまいました。というのは、この特輯号を養源院さんが檀家や関係者に配ることになっていたからです。 こんな大切な配り物の表紙が 無関係の 「白...