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2026年8月19日水曜日

静嘉堂文庫美術館「元禄!師宣劇場」2

 


そしてこのたび吉田恵理さんが軸木の「元禄六年酉ノ三月廿九日」という決定的証拠を発見この特別展開催を決定的にしたのです師宣が没したのは元禄7年6月4日ですから、確かに師宣在世中の制作であり、元禄5年から6年にかけて描かれたのでしょう。そう思って見れば見るほどすばらしい。師宣傑作中の傑作、これを実見せずしてもう師宣を語ることも、浮世絵を云々することもできません!!


詳細については、吉田さんの本展カタログ論文「元禄!師宣劇場『十二ヶ月風俗図巻』を読む」を読むようおススメしたいと思います。この浮世絵研究史上における特筆すべき偉業を成し遂げた3人の研究者が、すべて女性というの特筆すべきことです。


この記念的特別展を記念して――今回はなぜか言葉の繰返しが多いようですが( ´艸`)、以前もアップした日比谷高校S37卒美術ファンの面々で一緒に鑑賞したのでした。この日はフリー・トーク・デーだったので、饒舌館長もまったくストレスがありませんでした(!?)

2026年8月18日火曜日

静嘉堂文庫美術館「元禄!師宣劇場」1

 


静嘉堂@丸の内「元禄!師宣劇場」<8月23日まで>

静嘉堂文庫美術館には浮世絵の創始者・菱川師宣にアトリビュートされてきた「十二ヶ月風俗図巻」上下2巻があります。しかし一般に知られてきた師宣の基準作と比較すると、描写があまりにも丁寧でやや硬い感じを与えるためでしょうか、師宣直筆か否かについては疑問視されてきました。これだけの出来映えなのに、無落款であることも疑念を抱かせたのでしょう。


しかし4半世紀ほど前、千葉市美術館で空前絶後の「菱川師宣展」を企画した田辺昌子さんが、その真価を最初に見抜いて師宣晩年名作に位置づけたのです。続いて小林優子さんが『國華』1357号<特輯 新出菱川師宣の肉筆画>に論文を寄稿して実証性を高めました。師宣版本『年中行事之図』などとの共通図様を見いだすとともに、高位貴顕による注文品のゆえに落款をあえてはばかった可能性を指摘したのです。


2026年8月17日月曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!5

 


三密とは身密(手で印を結ぶ)・口密(真言を唱える)・意密(心に仏をイメージする)で、身体・言語・意識の結合が求められるのだ。 そして、仏を念ずるための 具体的なビジュアルイメージソースとして、密教美術は重要な役割を果たす。「密蔵は深玄にして翰墨に載せ難し。更に図画を仮りて悟らざるに開示す」という「御請来目録」の著名な一節は、密教美術に対する恵果と空海の考えを端的に表わしている。


 密教はきわめて難しい教えである――この事実がいよいよもって明白になり、はっきりとしてくるでしょう。こんな深遠なる教義が広く日本人の心をとらえ、どうして厚く信仰されるようになったのでしょうか? なぜ密教僧ではない普通の日本人の間で人気仏教(!?)になったのでしょうか?

2026年8月16日日曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!4

 


 カタログにはチーフキューレーターをつとめた児島大輔さんが、力作巻頭論文「空海生誕1250年と真言宗各派の名宝 その歴史と文化」を寄稿しています。児島さんは密教の仏教的特質を、つぎのごとく指摘しています。

 

密教とは顕教に対して用いられる用語である。顕教は釈迦のような歴史的に実在した応身仏や誓願によって成仏した阿弥陀のような報身仏の教えであるのに対し、密教は宇宙の根本である大日如来(=法身仏)が悟りの境地と即身成仏を説き、すべてのものを救う教えなのだと空海自身が『弁顕密二教論』の中で説き明かしている。密教では曼荼羅や本尊とする仏像・仏画を前に、三密瑜伽行を根本とする修法をおこなうのを特徴としている。

2026年8月15日土曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!3

 


 この「ごあいさつ」によって本特別展の趣旨はよく分かりましたが、チョッと矛盾している点があるようにも感じられます。密教は我が国の文化に大きな影響を与え、現代に至るまで深く浸透して生き続けている――これは否定できない事実です。ところが密教は至極深遠だというのです。「深遠」とは「内容が奥深くて容易にはかり知れないこと」(『広辞苑』)です。そもそも密教とは秘密仏教の省略、凡夫にはうかがいえない秘密の教えという意味です。

 

こんな深遠な密教の内容を、日本人は本当に理解できたのでしょうか? 少なくとも一般の日本人には、きわめて難しかったのではないでしょうか? 理解できなければ、それが文化に反映するはずはありません。だからこそ弘法大師は、絵図や尊像や色彩によって理解しなければならないと仰せられたわけですが、これらをいくら眺めても、密教の本質を理解してそれを文化や生活に反映させることは、非常に困難なことのように思われます。少なくとも僕には不可能です。


  ヤジ「オマエなんかを基準にしてどうするんだ!?」

2026年8月14日金曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!2

 


本展は弘法大師ご生誕一二五〇年を慶祝し記念して開催されます。

弘法大師空海は日本に密教を伝えた真言宗の祖師としてだけでなくこの国の文化、芸術、土木、食物等に大きな影響を与え、現代社会の今に至るまで深く浸透して生き続けております。「大師は弘法にとられ、太閤は秀吉にとられる」との諺が生まれた由縁でありましょう。


弘法大師は、密教は至極深遠なので時として絵図や尊像・色彩等を借りて理解を深める必要があると仰せられました。 その為に多くの仏像や曼荼羅が製作され、現代に名宝として数多く残されています。その名宝を一堂に会してご覧いただくのが本展です。


この機会にいにしえ人の深く篤い信仰に想いを廻らし、お心に眼福を満たしていただければ幸いに存じます。

2026年8月13日木曜日

日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!1

 

東京国立博物館「弘法大師生誕1250年記念特別展「空海と真言の名宝」<9月6日まで>


 いま東京国立博物館で開催されている「弘法大師生誕1250年記念特別展『空海と真言の名宝』」のキャッチコピーは、「至宝集結。」「空海と真言宗を知る、88件の名宝巡り」です。


そうなです!! 特別公開の秘仏をはじめ、空海弘法大師ゆかりの素晴らしい仏像や仏画を、より取り見取りといった感じで鑑賞していくのは至福のひと時です。僕も感を深くしながら平成館の会場を巡りました。これだけで元は充分にとれますよ!! 


 しかし見終わったあと、今回はちょっと考えることもあったので、それを少しアップしておくことにしたいと思います。いつもの独断と偏見ですが( ´艸`)、本展のマイキャッチコピーを<日本の将来に不安を抱かないではいない現在、東博の「空海と真言の名宝」展は必見です!!>としたゆえんかな? まずは242ページもある豪華カタログから、「ごあいさつ」を引用して、本特別展の趣旨を知ることにしましょう。

静嘉堂文庫美術館「元禄!師宣劇場」2

  そして このたび吉田恵理さんが軸木の「元禄六年 酉ノ三月廿九日 」という決定的証拠を発見 、 この 特別展 開催を決定的に したのです 。 師宣が没したのは元禄 7年6月4日ですから、確かに師宣在世中の制作であり、元禄5年から6年にかけて描かれたのでしょう。そう思って見れば見...