2023年9月4日月曜日

竹浪遠『松竹梅の美術史』8

 

一般的には明の士大夫・鄭彦ていげんが松竹梅図の嚆矢といわれているけれども、唐の時代には描かれていたことが明らかだと、紫雲先生は李邕詩の発見を誇っていらっしゃいます。もっとも鄭彦は、明じゃなく宋の人のようですが……。

この『松竹梅の美術史』は鹿島美術財団の助成を受けて出版されました。竹浪さんも「あとがき」で真率なる謝辞を捧げています。この美術財団のお手伝いをさせてもらっている饒舌館長にとっても大切な一冊――読後すぐ書架に収めたのでした。

それはともかく、松竹梅が日本へもたらされて、マツ・タケ・ウメと大和言葉で読むと、どうして回らないお寿司屋さんの符丁になっちゃったのかな?()


0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館(門司)「琳派の系譜」8

この二つの松は、『万葉集』『古今和歌集』の二集にたとえられ、松の葉の栄えは和歌の言の葉の栄えを意味し、つまりは天下泰平の象徴だというのである。 老人はなお松の徳をさまざまに物語り( クセ )、自分たちこそその松の精だと名を明かし、先に住吉へ行って待っていると言い残して小舟で 沖 ...