僕は杉本さんの写真以外のお仕事をほとんど知らないんです。もっとも料理については、『趣味と芸術――謎の割烹 味占郷』(ハースト婦人画報社 2015年)を拝見して、感を深くしたことがありました。
杉本さんの手になるお料理は、どれもこれもじつに旨そうなんです。〆だけを取り上げても、とろろご飯+ふわふわ玉子汁、まぐろご飯、乾山に月見うどん――うーん、もう堪りません。その前にゲストの方々が一杯やっていることは、改めていうまでもありません。
割烹料理人・杉本博司さんの面目躍如たるものがあります。しかも割烹着を着た杉本さんは、うつむいて料理をこしらえるところや、あるいは後姿をソフトフォーカスでちょっと見せるだけ――じつにしゃれているんです。
林屋晴三先生や細見良行さんなど、よく存じ上げている方も登場して、ヴィジュアルにしてとても楽しい一冊でした。とはいえ、杉本さんは僕にとってやはり写真作家ですね。















