12冊同じ表紙を使うわけですから、表紙の作品と掲載論文の内容が齟齬することは普通に起こることですが、このときは大変なことになってしまいました。というのは、この特輯号を養源院さんが檀家や関係者に配ることになっていたからです。
こんな大切な配り物の表紙が無関係の「白小葵鳳凰文袿」では、天下の宗達寺として面目が立ちません。養源院さんと『國華』は相談をして、その配り物だけ表紙を宗達の「白象図杉戸」にするという、特輯号の特別号(!?)を作ったんです。養源院さんにも『國華』にも、大変なご迷惑をかけてしまいました。研究上における人生最大の苦い思い出です。
それにしてもかの林健太郎先生は、生涯一度も締め切りと破ったことがないそうです。さすが東大総長をつとめるような研究者は違うものだと思います。違うとは思いますが、遅筆の僕にはとても信じられません。少なくとも若いころ、締め切りどおりに脱稿した原稿なんて一つもないんですから!!
ヤジ「そんなことを威張ってどうすんだ? いや、いつもの居直りというヤツだな」

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