県次公 舟を泛べて徂来先生を宴す。同に賦して『秋』の字を得たり
周遊せんとて蘭[あららぎ]の 舟を泛[うか]べた隅田川
日没のころ清き風 吹いて岸辺に舫い舟[もやいぶね]
海の汐[うしお]が三叉[みつまた]を 裂かんばかりに押し寄せて
武蔵・下総またがって 虹は両国橋の上
差しつ差されつするうちに 満月昇り三味[しゃみ]に歌
空に届いて行雲を 止[とど]めりゃ秋の涼しさが……
錚々たる人打ち揃い 神仙舟に乗り合わせ
世外[せがい]に遊んでいようとは お釈迦様でも知るまいに
県次公 舟を泛べて徂来先生を宴す。同に賦して『秋』の字を得たり
周遊せんとて蘭[あららぎ]の 舟を泛[うか]べた隅田川
日没のころ清き風 吹いて岸辺に舫い舟[もやいぶね]
海の汐[うしお]が三叉[みつまた]を 裂かんばかりに押し寄せて
武蔵・下総またがって 虹は両国橋の上
差しつ差されつするうちに 満月昇り三味[しゃみ]に歌
空に届いて行雲を 止[とど]めりゃ秋の涼しさが……
錚々たる人打ち揃い 神仙舟に乗り合わせ
世外[せがい]に遊んでいようとは お釈迦様でも知るまいに
燕歌行
秋の気配が日々日ごと 募ってきます 悲しいわ!!
わびしく木々は風に鳴り 帰って来ません あの人は
チョット登った高殿で 心の悲哀いや増して
秋風吹けば白雲が 乾[いぬい]の方から流れ来る
その西北の道はるか 君は久しく彷徨[さまよ]って
天涯の地で故郷[ふるさと]を 思い出してることでしょう
妾[わたし]は一人鬱々[うつうつ]と 転寝[うたたね]さえもできません
君帰り来て再会が 叶うはいつのことかしら?
いつも弾いてる琴に手が 触れても弾く気になれません
なぜって澄んだその絃の 悲しい響きが恐いから
この明月を夜明けまで 眠くもならず眺めれば
遥か千里のかなたへと 雁鳴きながら飛んで行く
銀河に降りた白露[しらつゆ]は 消えもしません一晩中
牽牛・織女の紅涙が 妾[わたし]の衣を濡らします
天上界には何ゆえに 悲しい別れが多いのよ?
秋懐 二首 その2
旅の宿りの我が住まい 秋風吹けばなお侘[わび]し
都の西北 夕景色 日に日に寂しくなってゆく
放蕩無頼の阮籍[げんせき]が おぼれた酒なら分かるけど
晩年 書物を著わした 虞卿[ぐけい]の真似などするもんか
見渡す限りの大自然 枯れゆく草木[くさき]を悲しんで
身の置きどころなき天地 うらやましいのは漁夫木こり
我が人生は順調に 進んだためしがまるでなく
故郷の田舎に隠居した 淵明みたいな詩もできず
秋懐 二首 その1
ひとひらの雲 空の果て 木々 鮮やかに紅葉し
時に感じて見下ろせば 旅人[りょじん]の心 悲しみに……
落ち葉 散り敷く高殿に 光陰矢のごと流れゆき
大海の靄[もや]果てしなく 愁いもいよいよ深くなる
酔えば隠者の庭の菊 採って夕餉[ゆうげ]のおかずとし
病気がちにて髪の毛に 秋の霜さえ見え始む
要領悪い役人が 傲慢不遜となじられて
髪 振り乱し歌いつつ 彷徨[さまよ]うさまは楚の狂人
今年の「饒舌館長」は大好きな服部南郭の春の詩から始まり、そのあと夏の詩を紹介しましたので、続いて秋の詩をエントリーすることにしましょう。もちろんすべてマイ戯訳――漢詩なんだから、もうチョット格調高くやってくれという声も聞こえてきますが(笑) みんな出典は岩波書店の『江戸詩人選集』3<服部南郭・祇園南海>です。まずは「秋夜の吟」から……。
庭のほとりの木の上で 夜中にカラスが鳴いている
ベッドの脇の床[ゆか]にまで 月の光が差し込んで……
秋は悲しく眠られず それが続くは誰がため?
寒さいや増す長き夜 ついに露さえ霜となる
鬢の白さを競うなど 止めよ!! 愁いに沈む人
今宵はすでに半分が 過ぎてしまったことだから
鶴沢守保なる画家について詳しいことは分かりませんが、幕末明治期に活躍した画家らしく、東博狩野家模本には彼による模本がたくさん含まれています。毛利元徳は長州藩14代、最後の藩主でした。
この鶴沢守保の模本により、式部輝忠の傑作「韃靼人狩猟図屏風」が、少なくとも幕末明治期には、狩野元信の作品として毛利家に伝わっていたことが明らかになるのです。
ヤジ「そんなモンが、式部輝忠研究上きわめて重要な資料といえるのか!!」
今日11月2日は香川景樹門下の歌人・木下幸文[たかぶみ]の祥月命日です。森銑三先生著『偉人暦』のこの日の条を、例のごとく朝食後某所で読んでいると、文中に幸文が誠拙和尚に就いて禅を学んだとあるので驚きました。明け方、『國華』円覚寺特輯号Ⅱに載せる原在中筆「泊船庵図」の拙稿を書き終え、編輯部にメールで送ったところでしたが、この作品は誠拙和尚の求めに応じて、冷泉為恭「ためやす」が賛を寄せたものだったからです。何たるシンクロニシティ!!
この作品の伝来に関し、山下さんは相沢正彦さんからの教示によるとして、昭和2年(1927)11月子爵毛利家・某家の売立て目録をあげています。相沢さんは去年静嘉堂文庫美術館で開催した「墨の美術」展に際し、すばらしい講演をしてくださったこの分野のエキスパートです。その毛利家・某家売立て目録に「元信 着色 韃靼人熊狩六枚折屏風 捲り」として収録されているそうです。
けだもののみち きわめきて いまのひとひととは言えどいまもけだもの 喜怒哀楽いろ ん な話おもしろし醒めては果てん夢のまた夢 アテナイであてもないのに戦 いくさ かなマケドニアには負けられまへん 杉本絶滅写真の集大成ともたたえられるべき特別展です。じつに素...