2025年1月8日水曜日

揖斐高『江戸漢詩の情景』3

柏木如亭「春興」

  梅見の季節になったけど 酒なくもちろん金もなし

  やむなく南の縁側で 日がな一日 居眠りを……

  表通りで子供らが 騒ぎ出したと思ったら

  空で尾っぽが切れたのか 凧が小庭に舞い落ちる

 

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揖斐高『江戸漢詩の情景」4

六如「春寒」   花の便りが聞こえても まだ寒風が吹き止まず   老いた俺にはあったかい 炬燵 こたつ にまさるものはなし   遠くの空に揚がる凧 放つ唸 うな りを頬杖 ほおづえ を   つきつつ聞けば幼少の 楽しかった日 思い出す