2023年10月10日火曜日

サントリー美術館「虫めづる日本の人々」27

226日」は「326日」の方が正しいかもしれませんが、そんなことはどうでもよろしい。生類憐みの令が悪政であり、貞享4年に厳格化され、天明7年がその100年祭(!?)であったことさえ確認されれば、それで十分です。これがいかに悪政であったか、仁科邦男さんが著書『<生類憐みの令>の真実』(草思社 2019年)において明らかにしています。最近の定説ともいうべき善政説を論破しています。

 言うまでもなく、生類憐みの令は貞享4年だけ行なわれた禁令ではありません。2年前に、将軍通行の際つないでおくことになっていた犬猫を、道に出しても差し支えなしとした解禁令が発端とされています。そして宝永6年(1709)綱吉の死去とともに撤廃されるまで、24年間も続いたんです。それを象徴する年が貞享4年だったといってよいでしょう。 

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」6

 友松は晩年、桂宮家を創始した智仁 ともひと 親王のもとにしばしば出入りし、押絵の注文などを受けていたことが、記録から明らかになっているからです。畏友・河合正朝さんの『友松・等顔』<日本美術絵画全集 11 >(集英社  1978 年)によると、桂宮淑子 すみこ 関係の記録にある「...