家蔵する青木正児・入矢義高先生の『芥子園画伝』を開いてみると、李龍眠より「子久(黄公望)画泉法」の方が似ているような気もしましたが、応挙が『芥子園画伝』を見ていたことは疑いありません。
あんなに写生の重要性を説き粉本を否定しながら、応挙は『芥子園画伝』も参考にしていたんです。そもそも見たこともない蘇東坡を主題にしていること自体、応挙の写生主義がギュスタブ・クールベの写実主義とは別物であることを物語っています。天使を描き加えて欲しいと頼まれたクールベは、「やぶさかではないが、その天使とやらをここに連れて来てくれ」と言ったというんですから……。
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